カウントダウン
「また明日」で今日の終わり
冬空についた溜息は色を失いながら
空へと向かう
見上げれば雪
静かだからきれい
このままつもって
ずっと残ればいいのに
けれどそれは嘘
瞬きすれば雪なんて降ってはいなくて
溜息は大気へと溶け込んでしまった
明日も「また明日」が言えたらいい
明後日も「また明日」が言えたらいい
その次の日もその次の日も
突然の閉幕は嫌
手帳に印をつけるようなのも嫌
今も嫌
宙ぶらりんのカウントダウン
朝
カーテンの隙間から光が射しこんでくる
カーテンをゆっくり開ける
雪が、降ったんだ
家々の屋根が白い
道は溶けているところも残っているところもあって
降りそそぐ光が全てを照らす
全てが輝いていた