【🌺Carpe Diem🌺】と【💀Memento Mori💀】～【今を生きる】～　#哲学 #今を生きる #詩人　※6,000字越えの狂った記事です

すごい映画を観てしまった。

稚拙きわまりない感想だが、本当に｢すごい｣としか言いようがない。

※映画のネタバレあります。

DEAD POETS SOCIETY

作中に出てくる｢死せる詩人の会=DEAD POETS SOCIETY｣。それに参加する学生たちのお話。

ロビン・ウィリアムズ演じる教師、ミスター・キーティング。

彼は、普段のかたーーい先生とは違う。違いすぎる。超絶ど変態な先生。

eccentric teacherです。

彼は初回授業で、生徒たちにホラティウスのことばを伝えます。

【Seize the day】=【Carpe Diem】=【今を生きろ】と。

この言葉を聞いた学生たちは覚醒。

ある者は想いを寄せてる女の子にアタックし、
またある者は、親の反対を押しきって【演劇】の道を志す。
他のものも、キーティング先生の教え【今を生きろ】
に感化されて、行動や考え方がみるみるうちに変わっていく。

10代、日本だと高校生ぐらいの年になる男の子たち。
彼らの【思春期】特有の繊細さや、勢いのよさのギャップ。
若さゆえの情熱と、超絶厳しい学校の規律。

そうしたギャップの中で葛藤する若者の姿が
出演俳優の演技はもちろん、物語の進め方、映像の見せ方などで
見事に表現されています。

この映画の伝えるメッセージ。

【今を生きろ。】

【死は隣り合わせ。】

以上の2つのメッセージは、なにも新しい考え方ではない。

【死は隣り合わせ】という考え方は、遥か昔、14世紀から存在しています。

当時はヨーロッパはじめ世界各地で黒死病【ペスト】が大流行。
現代のような、高度な医療技術のない時代には、
【見えない感染症】【いつ死ぬか分からない病】
への恐怖がマックスになっていました。

【自分や周りの家族、友人。
今は元気そうに生きていても、いつ自分がペストにかかって、
死んでしまうのか、分からない。】

という考えが、有名なことば

【Memento Mori】メメントモリ=　死を想え

になりました。

人間いつ死ぬかわからない。幸福もいつ終わるか分からない。
だからこそ、今やれることは今やってしまう。
いつやるか?今でしょ精神。

この考え方は、今なお我々の日常生活に根差しています。

また、【今】に着目するという考え方では

【Carpe Diem】カルペディエム=　その日をつかめ。今を生きろ。

という格言もあります。
この言葉は、メメントモリより古くからあるもの。

紀元前1世紀のローマ詩人、
ホラティウスが自らの『詩集』で語ったことばです。

これも、
今やビジネス書に書かれていないことがないくらい
引用されまくってる考え方です。

本記事は、2つのことば

【Memento Mori】

【Carpe Diem】

に着目して、

【今を生きる】

ことの大切さを考えていくものです。

前提が長くなった!!!てか、選んだテーマが深すぎて、書くのが面倒!!!
まあ、頑張ってかいていこう。では、はじまりはじまり。

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【Carpe Diem、 ゛Seize the day゛、今を生きろ!!!】

Carpe Diem。今を生きる。

これは19世紀のアメリカ人作家、ヘンリーデヴィッドソローもいうことであり、今出回ってるビジネス書にも高確率でかかれていること。

現代のビジネスシーンでも、【今を生きろ】は金言です。

現代人は、【SNS】や【会社】【人間関係のいざこざ】
【将来への不安】など、色々なことに
惑い、思い悩んでいる。
現代の我々は往々にして【いま】を生きることを
重視していない。

だからこそ、
メンタルのうえでは【いまを生きる】ことを徹底したほうがいい。

『世界は複雑で、そんな世界を生き抜くためには、シンプルな思考の道具箱が必要』。Think Clearkyにて、ロルフ・ドベリ氏が述べるところです。

再度いいますが、
なにもこれは【新しい考え方】でもなんでもない。

そもそもが古代ローマ人の言葉です。

西暦が始まる前から、
人は【いまを生きた方がいい】という結論に達しているのです。

歴史に【必然】なんかない。
結局は当時の【いま】が積み重なりに重なって、
膨大になったものにすぎない。

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～｢DEAD POETS SOCIETY｣にみられる｢カルペディエム｣～

好きな女の子ができた少年。彼は彼女に一目惚れ。しかし、相手には｢彼氏｣がいる。しかも、イケイケのラグビーボーイ。

諦めかけたそのとき、キーティングのことば｢今を生きろ｣が頭に鳴り響きます。

彼女に思いきって電話をかけようとする。｢ハーイ｣。彼女が出た瞬間、焦って電話を切ってしまう。

それを見た同級生が、｢おおーいなんだよ!!!切るんかい!!!｣とツッコミ。

悔しくなった少年。電話をかけるなら今しかない。勝手に電話をかけたら、イマカレに殺されるかもしれない。
でも、構わない。とにかく想いを伝えよう。

彼は｢カルペディエム｣と呟き、再度電話をかけ、彼女とお話をします。

その後なんやかんやありましたが、(この　なんやかんや　がかなり長いのですが)
彼女と少年は結ばれます。

彼が電話をかけた瞬間。その瞬間がまさに｢カルペディエム｣の実践だったのです。いま彼女に電話をかけなければ、互いの仲は進展しない。いつ電話をかけるの、今でしょ。

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【Memento Mori 死を想え】

メメントモリ　=　死を想え。

人間に誰しも平等に訪れるのが【死】。死ぬのがこわい!!!という感情

これもまた、人間が遥か昔から抱いていた感情です。

さっきも言いましたが
【死】が特に意識されるようになった
【14世紀】の黒死病大流行の頃に、
メメントモリはバズりました。

黒死病で人がバッタバッタ死に、死体が町に溢れでる。

死体の山や、次々と作られる墓地、見えない感染症の恐怖、鼻をつんざくような死臭、ペスト仮面、【悪い空気が病気を呼ぶ】という思想、干魃を呼び込む凶兆、イナゴの大群・・・

ペストの作り出したこれらの状況は、
人々に強烈な【死】を意識させるものでした。

メメントモリは、芸術の分野にも
【死】=【ガイコツ💀】のモチーフでよく使われています。

有名な絵画です。近くから見て、そのあと遠くから見てみよう。

Charles Allan Gilbert　" All is Vanity" 1892 Wikipedia Commons

【Vanity】とは、
【虚無】のこと。
死ぬこと=生命活動を停止すること
なので、メメントモリは
【虚無】のイメージと結び付くことが多いです。

また、現代的な解釈では

【死がいつ訪れるか分からない】
=
【いつ死んでもいいように、今を大切にして生きる】
【良いことがあっても、
それは一時的なものにすぎないと心得る】

といった捉え方をするものもあります。【すべては移り行く】という【Vanity】【虚無】にも似たメッセージがありますね。
こうした意味では、さっきの【カルペディエム】【今を生きよ】と似たメッセージになります。

見かけは【ネガティブ】に見えるメッセージ。
【メメントモリ】。
しかし、その裏の意味は、
【生きる】ことを大事にせよという
【ポジティブ】なもの

【死】と【生】はコインの裏表のようなもので、片方がもう片方を強調する役割をもっていると思います。【死】が逆に【生】を際立たせる。このことについては、以前の記事でも取り扱っています。

【精神を病んでる人へ】｢生｣と｢死｣は表裏一体だという話｜美川くん @VTuberCommunism｜note（ノート）

～DEAD POETS SOCIETYにみられる｢メメントモリ｣～

※ネタバレ

キーティング先生と、生徒たちの心暖まる交流。それと、生徒たちの織り成す人間ドラマ。映画の大部分は、こうした｢学生生活｣を描くシーンになっています。
ですが、映画のクライマックスにとてつもないショッキングなシーンが。

登場人物の一人、ニールが拳銃自殺をしてしまうのです。

ニールも、【いまを生きろ】【カルペディエム】に触発されます。

彼なりの【今を生きる】とは、かねての念願だった【演劇】の道を極めること。

彼は父親の強い反対を押し切り、シェイクスピアの劇で主役を勝ち取ります。

迫真の演技で、彼は舞台『真夏の夜の夢』を大成功に導きました。
終了後、観客から称賛されるニール。彼はこのとき、
まさに、素晴らしい【いま】を経験しました。舞台の上で役を演じるという【いま】やりたいことを、やりきりました。称賛と拍手のなかで、彼は人生における至上の幸福を感じていました。

舞台には父親も足を運んでいましたが、ニールが父に会いに行くなり、彼は怒った父に連行されてしまいました。

輝かしい称賛を受け、人生の頂点にいたニールですが、
父親によって一気に地の底へと突き落とされます。
現実に引き戻される。

【好調なことがあっても、そのあと何があるか分からない】というのは、まさにメメントモリ【死を想え】の伝えるところ。

しかも、ニールは父親に猛反対され、【俳優への道】を強制的に閉ざされる。父親は既に、士官学校への転向手続きを済ませていました。

絶望したニール。彼は両親が寝静まった真夜中に、拳銃自殺をしてしまいます。【死】が本当にやってきてしまった。【いま】を生きることができないと悟ったニールは、【いま】を諦めることを選択したのです。父親によって俳優への道が閉ざされた瞬間に、彼の心は【死んだ】のです。その後の拳銃自殺は、あくまで【肉体】の活動を終わらせるための
作業にすぎなかったのではないか、と感じます。

このシーンは未だにモヤモヤするというか、悲しいというかなんというか、もう全ての感情がぐっちゃぐちゃにされるシーンでした。
昨日【いまを生きる】を視聴してから、
ずっと、ニールの自殺シーンが頭から離れません。

【今を生きる】ことと、【死がそばにいる】ということ。
両者は表裏一体のもの、だということを
私は【DEAD POETS SOCIRTY】
という作品から読み取りました。

実際に【死】をまざまざと見せつけることで、【メメントモリ】を視聴者に叩きつけてくる。やばい映画だわこれ。
ロビンウィリアムズかわいいけど、それに騙されちゃいかん。

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【Carpe Diem と Memento Moriの親和性】

以上にも考察したように、

【死】が【生】を際立たせる
(=今を【生】きよ=カルペディエム)
ならば、
【生】も【死】と隣り合わせ。(=メメントモリ)

今の【生】と突然の【死】。
生と死はコインの表裏の関係。

この関係性を考えると、死を考える【メメントモリ】と、今を生きること【カルペディエム】の親和性はかなりものだとおもいます。

両方ともよく【カルペディエム、メメントモリ】
と一緒にされることが多いです。

メメントモリ=死が身近にいる
からこそ、カルペディエム=今を生きる　が大事。

このことについて、興味深いことを述べている記事があります。

Memento Mori, Carpe Diem 起業や転職を考えている人へ - @ogawakazuhiro

http://agora-web.jp/archives/1370112.html

本記事より引用。

人間はいつか死ぬ。しかもそれは意外に早いかもしれない。あるいは、いまは事業がうまく行っていても明日は分からない、だから有頂天にならず、やるべきことを懸命に頑張れ。Momento Mori。
そういう戒めなんです。
同時に、ただ働き詰めでも明日死んだら道半ばで、なんの楽しみもない。働くばかりで、人生を楽しむことを先延ばしにしてしまってもダメです。つまり、がむしゃらに働きながらも、何か楽しいことを見い出していく必要がある。Carpe Diem。

メメントモリだけだと人生はくらーくなっちまう、かといって、カルペディエムでいまだけの楽しみを追及していても、それは【いまだけ気持ちいい!!!】ということになり、後先考えない阿呆になる。

【今を生きよう!!!】となって、好き放題S◯Xしてお金借りまくって飲酒運転して事故起こして上司の頭ひっぱたいたりしたら、それはただのアホです。
かといって、【死を忘れない】ことで、常に死ぬことのリスクについて考えてしまう。横断歩道で車につっこまれたらどうしよう。職場に隕石がふってきたらどうしよう。

【心配を感じとるセンサー】が強すぎても、
【大胆さ】がありすぎても、生物はうまく生きられません。

このことについて、ロルフ・ドベリ氏は著書『Think Clearly』(2019)にて、以下のように述べています。

想像してほしい。あなたは｢神｣で、これから新しい種類の動物をつくろうとしているところだ。

(中略)

(美川補足:｢神｣として産み出すチンパンジーの)｢危険センサー｣の設定を低くしすぎると、その動物は崖から転落したり、天敵に食べられたりして命を落とし、創造後すぐに絶滅してしまう。
だからといって｢危険センサー｣の設定を高くしすぎると、今度は臆病になりすぎてその場から一歩も動けなくなって餓死してしまう。そうなるとまたその動物に繁殖のチャンスはなくなり、やがて絶滅する。
つまり、不安を感じる度合いは、ほどほどにしておいたほうがいい。｢不安定探知機｣は適度なレベルに設定しておかねばならない。(pp.242-243)

ここでいう｢危険度センサー｣を｢メメントモリセンサー｣に読み替えると、わかりやすいかもしれない。

つまりは、
【今を生きること】と【後のことを考える】ことは、
バランスよく考えたたほうがよい、
ということ。

【カルペディエム】と【メメントモリ】は、
それぞれが独立して存在するのではなく、
互いが足りないところをうまく補完しあって、
バランスを保つ関係。
だからこそ、
【カルペディエム、メメントモリ】
とまとめられる

のだと思います。

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【まとめ】

①【カルペディエム】今を生きること　
は、紀元前からビジネスマンが重要視していたもの。

②【メメントモリ】死を忘れるな
は、【死】という全人類共通の悩みを
思い起こしてくれるもの。
それと同時に、【だからこそ今を生きろ】
というポジティブなメッセージでもある。

③【今】だけを考えれば、
ばかなことをしてしまう。
かといって、
【死】だけを考えれば、
臆病すぎて何もできなくなってしまう。
【カルペディエム】
と
【メメントモリ】
は、バランスよく考えよう。

・・・疲れた。
いつの間にか壮大な記事になってしまいました。ふーやっと書けた。
これ、普通に学校のレポートレベルじゃないか。我ながら気持ち悪いわ、この熱量。
この記事も、【記事を書く】という【今】に集中しながら書きました。

美川