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個人的名著

私の読書量はさほど多くないとおもいます。
正直、読書家を自称するにはあまりにも少ないくらいです。
そんな私の個人的名著を発表します。
基本的には順位はつけません。



銀河鉄道の夜

これはあまりにも王道すぎると思いますが、宮沢賢治さんの名著です。
この本は私が覚えている限りでは初めて読んだ本です。
私が読んでいたのは、藤城清治さんの切り絵版の絵本で、最初はステンドグラスのような綺麗な切り絵に惹かれ、だんだん銀河鉄道の夜の物語も好きになっていきました。
私は寝る前に祖母に本を読んでもらっていたのですが、この絵本は読むのに2時間以上かかるので、ほぼ毎日ねだっていた当時の私を叱りたくなると共に、祖母に感謝しています。



堕落論

こちらもとても有名な本です。
この本は中学生の時に出会いました。
私は心が落ち込んだり、辛くなった時にこの本を読みます。
自己肯定感を養うためにもとてもいい教えが書いてあります。
「人間だから墜ちるのであり、生きているから墜ちるだけだ。だが人間は永遠に墜ちぬくことはできないだろう。なぜなら人間の心は苦難に対して鋼鉄の如くでは有り得ない。人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、墜ちぬくためには弱すぎる。」
正しく堕落する道を模索することの大切さを教えてくれた本です。




灯籠 恥 桜桃

こちらは太宰治の短編です。
私は太宰の短編が大好きで、中でも女主人公の話には心を奪われます。
灯籠、恥は女主人公の話なのですが、どちらも少し滑稽で、どこか足りない。それでも愛おしくなる女性が描かれています。

桜桃は太宰の最後の短編。
太宰の忌日「桜桃忌」の由来ともなった短編です。本書の一節を借りると、「夫婦喧嘩の話」です。しかし私にはこの話は夫婦というより親子の話に取れると思います。
「子どもより親が大事と思いたい」
実際は思っていないのだけど、そう思いたい。
タイトルの桜桃はさくらんぼのことです。
子どもたちには食べさせない贅沢な桜桃を酒場で食べることを後ろめたく思い不味そうにタネを吐く。「子どもより親が大事と思いたい」と心の中で虚勢みたいに呟きながら。

子どもの白痴などの悩みからか、家庭内はお互いに言いたいことを言える雰囲気ではなく、とても静かに進んでいく物語です。どこか危ういそんな空気を感じる話です。




今回は近現代、純文学系ばかりになってしまいましたが、またの機会に現代、大衆系は扱おうと思います。
ではまた近日中に。
それでは。

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