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目を輝かせて話を聴く人は伸びるのか

講義を聞いて頭に残るのは内容の5%だという。

「分からなくてもうなづく」「とりあえずウンウンと首を縦にふる」「一生懸命にメモをとる」この3つは学校で内申=通信簿のいい学生が日頃涙ぐましいほどに意識して実践していることでもある。


学生も必死になって内申を上げるために試行錯誤しているが、一方で「今日扱ったページの隅から隅まで、内容が完璧になるまで頭に入れる」という作業が授業中には完成せず、帰ってきてから再度読み直しても全く何を行っていたのか覚えていないという生徒もよくいる。


大人になってからも私たちは「話を聞く」際には同じことを求められる。


話を聞く時にはメモをとる。目を輝かせて相手の表情を見ながら聞く。とても大切なことであるには変わりない。「相手にとって」の好印象を残すこともでき、良好な人間関係も築ける。


ただ、「それだけでは5%しか定着しないという事実を考慮した上で」次の一手を考えた話の聞き方になっているかどうかは常にに自分に問うてみることが必要だ。「話を聞く姿勢をちゃんとする」ことだけに終始してしまっていざ講義が終わってみたら、ほぼ内容を覚えていないということになっていないか。自分の貴重な時間を使って学びに行ったのに、全く身にならず座っていただけの時間になってしまったということがないように、私はあらかじめ学生には「後々捨てる予定のあるノートには書かない」ことをお勧めしている。


メモをノートに一生懸命とる:そのノートは捨てることなくもう一度見直すのか。写真や動画で残しておくのと紙で残しておくのと、どちらが生産的な講義内容か。1から10まで全て内容を転記しているだけになっていないか。それを使っての次の行動の構想までが講義中に練られているかどうか。

うなづく:内容を頭に入れて咀嚼することよりも相手から見た自分の見え方に意識が集中していないか。


人の話を聞く時の姿勢がいいと相手に覚えてもらえる。周りからの評価も高い。しかし、一方で大事な学びの中身がおざなりになってしまっている光景も目にする。私たちは自分の時間を生きている。他の人からどのように評価されるかというものさしに惑わされて他人の時間を生きていないかどうか、時折振り返って確認することで、この逆説的な時間の使い方を改善することができる。油断をすると、本来求めていたことではないことに労力を使ってしまったりしている自分がそこにいる。

「相手がどのように感じるか」「相手に不快感を与えていないか」は他者と共存していく上ではもちろん大切な視点でもある。しかし、自分の目的をおざなりにしたまま周りから求められる「理想の姿」を演じてしまうと、あっという間に自分のエネルギーは消耗されてしまうのだ。多少の白い目で見られることを覚悟してでも、自分の目的をはっきりさせて目の前の学びを貪る勇気。振り切って自分のために吸収の仕方を変えられるかどうかで、数年後の未来は大きく変わる。



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