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どんな動きにも意味がある!

動きには意味があります!

例えば開脚のストレッチ。
これらはダンストレーニングとして、基礎の基。

プロとして踊る為の"下ごしらえ"であり、目的ではありません。

歌のレッスンで言えば、発声みたいなものと言えるでしょう。

ストレッチはウォームアップではありません!トレーニングです。

こういうのはダンストレーニングでは30年以上前から、当たり前の光景なんです。

ここで言いたいのは…何の為にやってるのか?と言うこと。

もちろん可動域を広げる為でもあるけど…そのプロセスにおいて、カラダの中の通り道をつくること。

そうでないと、ただ脚が開くだけで…ダンスや運動が上手くなる為のストレッチじゃなくなりますから。

世の中のダンスレッスン(ジャズダンス系)には…

ストレッチ〜アイソレーション〜筋トレ〜プリエやバーレッスン〜ターンなどを、当たり前のメニューとしてやってるところが多いけど。

そのメニュー自体が循環していないと、意味がありません。

パッチワークの様に繋げてるだけなら、各自アップで良いのだし。

武術などでも本質を知らない人が、TVや動画で達人の真似をしてカタチをパクったているのを見る事があります。

しかし動作の意味を分からずにやってるのだから、ピントがズレていて…そんな人に習って出来る気になって事故でも起きたら?なんて余計な心配をしてしまいますが笑

そういう人は「○○先生の影響で…」とか言えば、縁が巡って本質を知る機会も得られるのに…

パクりと自覚している=自分のオリジナリティが無いから、そういうことは言わないんですよね。

動きの意味を探求していたら、一つ一つの動きに深みが出ます。

その深みはとは…

例えば伝統文化の様に、草創の精神を守りながら時代の空気に適応・発展させたり。

新たな視点と切り口で、動きに別の価値を見出したり…

そういう探求者が指導をするから、言葉を通して動きの本質を表現出来るのです。

単なる文字や音符の羅列でも、作者の意図を読み取れなければ、表面をなぞるだけで終わりますね。

中国武術家でトランポリン指導者の遠山先生に、パーソナル指導を受けました!
八卦掌の歩法を初めて習いました。

⬆️の八卦掌のステップでサークルを描く時、先行する足は外旋で踵から、追い足は内旋でつま先から…という足の使い方をするのですね。独特でした。

前進(しつつカーブ)するのに、左右の足の着き方が違うのは、慣れないと難しいです。

中国武術など歴史あるものには、動きが長年受け継がれているので、カタチを学ぶのでなく…

その奥にある本質を学ばなくてはなりません。

武術には体内でエネルギーの拮抗を起こす様な動作が多く、これが見た目ではわからない深みと言えますね。

ダンストレーニングの話しに戻れば…例えば自重筋トレ。

早い曲のテンポでシットアップ(腹筋の上体起こし)したりする指導者がいるけど…

カラダのどこに意識を持って動くか?など関係なく、首や肩で上体起こしてたり…

それじゃダンスは、確実に下手になります。

しなやかな動きをするべきなのに、ガチガチにカラダを固める筋トレしたら…わかりますよね?

全ての動き、全ての練習にどんな意味があるのか…指導者は言語化出来ないとダメなんです。

カラダの仕組みや、人それぞれの個体差を知り、見立てる能力が指導者に必要なのですね。

トランポリンでストレッチすると、ぶつかりが無くなるので、心地良いです!

若い現役ダンサーでダンスが上手くても、自分の真似をさせるだけなら、ちゃんとしたダンス指導者とは言えませんから。

しかし、そんな指導者もいるのです。

本当は教えることが好きじゃないのに、食えないから仕事として教えてる…という、誇りの無い指導者が。

そういう指導者が…
ダンスは好きだけど、レッスン環境が嫌で辞めちゃう人を生み出しちゃうんですよね。

ダンス界の人間が、ダンス界をダメにしてるという現実。

真面目な生徒ほど…
「逃げたくない…負けたくない」という意地で、ココロに棘を生やしながら頑張ってメンタル壊すんです。

そこまでいかずとも、怪我をさせたりしたらいけません!

薬と毒の区別がつきにくい様に…
同じ白でも塩と砂糖じゃ違うのに…
初心者には、良し悪しの見分けがつかないのだから。

1年間、塩だと思って摂取したら、実は砂糖だった…みたいなことがあるのです。

カラダ壊したら何も出来ませんからね。

塩と砂糖のどちらもが白い様に…

同じ動き、同じフォームでも…中身の運動が全く違ってたらアウト。

武術では内動・内功と言いますが、ダンスにもそれは当然言えること。

中身とは動きだけじゃなくて、表現するココロにも言えること。

ジャズダンスのショウで、何ちゃって和風作品を時々観るけれど…

単に手足をフレックスに返しただけで、何も中身の無い"ちゃっちいダンス作品"とか多いですよ。

寿司に例えれば、パッケージだけ一流店の真似して、中身はコンビニの海苔巻き…みたいなクオリティ。

別に日舞みたいな古典をやれってことじゃありません。

ジャズダンスで和物をやるなら、見せかけでなく…

和のエッセンス(真髄)を作品として表現するべきだなんです。

1987年11月に武道館で開催された極真空手の第4回世界大会で、決勝前に演舞させていただいた時のもの。この写真には隠れてますが、センターで踊りました。

ちゃんとした畳と、ゴザくらい違う…テキトーな「見せかけ和風ダンス」を観ると興醒めするんですよね!

そういうショウのダンサーは、ロクにトレーニングせず、現場だけ数こなしてる人が多いんです。

包丁も研がないと切れません。錆びた包丁で美味い刺身は切れないし。

振付だけでなく、ストレッチのカタチに秘められた「動きの本質」を理解し具現化し、伝えられないと、良いダンス指導は出来ないでしょう。

脚が180度以上開いた時に、腹圧はどうか?臀部はどうか?とカラダを感じ意識出来るのは最低限必要だし…

抹消神経(足先)まで、きちんと意識が通い、横隔膜が引き上がっていますね。
仙腸関節を動かして、腰椎を入れないと180度開脚とはいえません。それを理解せずに開脚指導している人が多すぎます。



むしろそうじゃないと良いカラダになれません!

ダンスレッスンをコース料理に例えると、ストレッチはダンスレッスンの前菜です。
(メインディッシュは振付を踊る時間)

ちゃんとした前菜でないと、酵素を摂取出来ませんから。

開脚そのものは、ダンサーにとっては、寝起きで伸びをするようなもの。

だからこそ、ただ柔らかければ良いのでなく、それをどうパフォーマンスに活かすか?が大切なのです。

指導者こそ、レッスンの中身や構成を考えるべき!

40年以上踊ってきて、30年以上指導している中、いつも考えることを書いてみました。

(付属)
⬇️は昨夜NHKで放送のヒューマニエンス。背骨のこととても勉強になります。10/12にBSで再放送されるようです。

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