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ある戦いの記録  川柳41句

海戦にブランド名の無い豆腐

イヤホンを奪い逃げ去ないダンボに仔

セミプロが北野大の茶室建て

極彩の大宅文庫に朝陽射す

朝の陽のなかに沢尻エリカ割れ

異次元に小玉西瓜がわからない

鴨そばをギャル語以外で描写した

戦前のカレー屋に知恵の環を置く

兄というモノがジャイ子の歌忘れ

我慢死という言葉あり宇宙暦

文字にして歌留多に刷ってあるぽん酢

隣人とヒ素を貸しあう日の名残り

一本のえのき命名する健太

ドトールの明日のための火を運ぶ

堀端にフンコロガシを養う市

ラジオ切るラッコが呆けてしまうまで

細ねぎにようにゆかいな物を言う

寒天によって毛沢東レース

炉心部に夏樹静子を貼ったまま

氷河視て夏樹静子を仮名にし

東鳩の社員が花粉画をあつめ

渓谷でタンスにゴンの模型折る

日足伸ぶぶんの素数を考えた

南極を失う妻の大くさめ

動物の茶漬を混ぜる布団部屋

リア王に意味のないごきぶりだった

死も生も森蘭丸が視た海豚

抑圧すバックギャモンのグのきおぐ

春色に吉田拓郎焼きなおす

最低の化石を掘った顔の魔子

子午線が吉本本社ビル走る

キャプテンの干菓子をソ連型に割る

軟球と僧に贈ったパンを焼く

アントニオ猪木のこれも類想句

神戸市が自句自解大会ひらく

道端ののび太のように死んでいる

東京の傘に偽名の西田健

ワッフルが無かったはずの鉄鍋屋

ブリトーの模写もしないで昼の月

松平健につらなるチャーハン屋

百人を約百人にするパズル


#川柳 #詩歌 #文芸 #創作 #詩 #勝手に逃げろ



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