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徒然なるビート

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自分の人生を振り返って大切なものを考えたり考えなかったりするブログです。
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2023年4月の記事一覧

本質の話をすると、人は傷つく

[1]
 仕事の話をします。厄介事や許せないことがあると見て見ぬ振りをできず、「これって本当はこうじゃないのか」と単身突っ込んで周りから総スカンをくらってしまう人がいるのですが、よくよく話を聞いてみると、その人の話があまりに本質を突いていて、総スカンしている周りの人たちがプライドや形にこだわって聞く耳を持たなくなっているだけだと分かった。
 会社は大体そういうもので、なけなしのプライドや何だかよく

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丁寧に比べ合わない

[1]還愚
 「還愚」という言葉を街で見かけた。どうやら仏教用語らしいけれど、「愚かに還る」とは何だろう?と引っかかってしまった。
 何やら調べてみると「自分自身の心に素直になること、良い部分も悪い部分も認めること」という言葉だそう。同時に、地位や身分などから解き放たれて、自分を見つめること、という意味もあるそうだ。
 「裸になれば社会的身分なんて関係ねぇ!!まずは人間じゃん!!!」って感じだろう

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お好み焼き屋に入らなかったワケ

[1]年季の入ったお好み焼き屋
 僕はとあるお好み焼き屋の前まで来て入るのを辞めた。見覚えのある、なんなら全部作ったことのあるメニューを2分ほど眺めて、まだ入らないでおこうと思って実家へ向かった。
 なんとなく有給を取って、実家へ母の様子を見に行こうと思って家を出たものの、何の引力か、気がつけば1時間も迂回をして大学生の頃から七年勤めていた地元のお好み焼き屋の前に立っていた。
 最初は高校の親友が

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死ぬから楽しい

[1]死の引力
 死んだらどうなると思います?「死」というのは人類の、生き物の興味深い機能だと思う時がある。死があるから悔いのないように生きようと思ったり、死があるから死にたいと思ったり、死があるから今のこの時がとても大事だったり、逆にどうでも良かったりする。
 不老不死だったら僕は今日も真面目に仕事なんてしないだろうし、イライラしながら日中を慌ただしく過ごしたりしないだろう。
 僕がもう、楽しい

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必死で生きた現在地

[1]着任の挨拶
 大学院の頃の友達が、僕のPCアドレスを一斉送信の一つに入れて「挨拶」を送ってくれた。出会ったのはもう10年近く前の話になるし、彼はベースも弾けるので一緒にスタジオに入ったこともある。僕は早々に諦めてしまったけれど、彼は歩みを日々止めず、ついに研究を職として「挨拶」を各所に送るほどになっていた。
 最後に会って酒を酌み交わしたのは4、5年程前のことだろうか。「頑張るすべての人に、

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明日を誤魔化す液体

[1]誤魔化したくない
 飲酒というものは、明日の現実を誤魔化すにはちょうどいい。ただそれだけでは悲しい慰めの液体なので、明日を誤魔化すだけでなく、アルコールでリミッターが外れた話の中から、半年後の自分はこうありたいという心の声や他人のアドバイスを聞き出す手段だと僕は捉えている。なので一人では飲めない。家では飲まない。
 最近外での飲酒頻度が多いのは、明日を誤魔化したい気持ちが無いわけでもないけれ

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スマホなんて要らない

[1]起きたら三重
 起きたら電車の中、陽の暖かさで目が覚めたが、昨晩朝まで飲んだ記憶が朧げにあるだけで、何の電車に乗っているか、ここがどこなのかも分からなかった。
 時間を確認しようとポケットを探るが、スマホがなかった。記憶が飛んでいる間に無くしてしまった。停車駅に「津」の文字。名古屋で朝まで飲んでいたのに、気づいたら三重県にいた。
 「あーやっちゃった!!」と思いながら、笑ってしまった。外界と

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