必死で生きた現在地

[1]着任の挨拶
 大学院の頃の友達が、僕のPCアドレスを一斉送信の一つに入れて「挨拶」を送ってくれた。出会ったのはもう10年近く前の話になるし、彼はベースも弾けるので一緒にスタジオに入ったこともある。僕は早々に諦めてしまったけれど、彼は歩みを日々止めず、ついに研究を職として「挨拶」を各所に送るほどになっていた。
 最後に会って酒を酌み交わしたのは4、5年程前のことだろうか。「頑張るすべての人に、例えば漫才師にも、お互いにもリスペクトを」という話をして別れてから連絡をとっていなかったが、あれから彼はどれほど頑張ったのだろうか。地続きだけど、気がつけば途方もない地平へ足を踏み入れていた。

[2]会わない間に夢を叶える
 最近はそう、象徴的な出来事が多い。数年連絡をとっていなかった人が、その間に努力し続けて今人生を謳歌している、夢を叶えようとしている、そんな情報が次から次へと入ってくる。実際に会う機会もあった。そしてこれから会う予定もある。
 過去あの時出会った人たちが、その後必死で生きた現在地、今現在お互いにどうなっているかを確かめ合う作業が、立て続けに訪れている。
 更に不思議なことに、そういう時に人生を左右する言葉が舞い込んできたりする。「本当にこのまま仕事を続けてあなたは幸せですか?」という自身の今を見つめ直す話をもらって、普段からそんなことばかり考えているくせに、いざ人からそうやって言葉をかけてもらうと面を喰らってしまった。僕は本気ではなかったのだ。

[3]仕事を辞めるのか、夢を諦めるのか
 「仕事を辞めて、本当にやりたいことをやるのか」という問いに対して、消極的に「まだだなぁ」と思っていた。そんな人は辞めるわけがない。
 ここ最近の出来事から、いよいよ辞める?辞めるのか?とずっと考えていたけれど、今のところは積極的に「まだ辞めてやるもんか!!」と思っている。
 その理由は明確で、僕は母の医療費を負担している。負担というほどネガティブな気持ちはなく、ともかく安定的にお金を稼いで、人生の最大の推し、母に課金したいのだ。
 だからといって自分の夢を諦めたりもしない。平たく言えば、「あぁ、もう全部頑張るよ!!全部な!!!」ということである。一番体も頭も疲れるし、パワーの要る選択だ。けど、ある意味僕らしい選択なのかもしれない。
 人生、一回しかないからね。好きなものには無限に課金したいし、何歳になってもやりたいことやりたいよね。美味しいものだって食べたい。人生欲張っていこう。

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