『漂流郵便局』

以前“震災漂流物”が話題になったことがあります。           “震災漂流物”とは                           東日本大震災によって発生した巨大津波により              海に流れ出た漂流物のことです。                    家屋や車、家財道具など様々なものが                  大量のがれきとなって海に流出しました。                たくさんの思い出が詰まったものが                  “がれき”と化してしまって ・ ・ ・                   あまりにも切なすぎますね。

“震災漂流物”など多種多様な漂流物は
長期間、波に揉まれて海岸に漂着することがあります。
海岸に漂着した漂流物は無言ですが
想像力を働かせると実に多弁です。

島崎藤村作詞・大中寅二作曲の
唱歌『椰子の実(やしのみ)』は
あまりにも有名ですね。

名も知らぬ遠き島より♪流れ寄る椰子の実一つ
故郷(ふるさと)の岸を離れて♪汝(なれ)はそも波に幾月
・ ・ ・ ・ ・

唱歌『椰子の実(やしのみ)』は
海岸に漂着した“椰子の実”をモチーフ にして
想像力を働かせて書かれた詩です。

瀬戸内海に浮かぶ香川県の離島“粟島(あわしま)”に
『漂流郵便局』というものがあります。

『漂流郵便局』は旧粟島郵便局を改装して
生まれ変わらせた郵便局で
亡くなった家族、元恋人、会うことができない人などに宛てた
届けることができない宛先不明の郵便物を預かります。

『漂流郵便局』に漂い続ける沢山の想い・・・
粟島は潮流等の関係で漂流物が漂着しやすい島なので
届け先がなく漂う思いが流れ着く場所としては
相応しいのかもしれません。

『漂流郵便局』は行き場のなかった思いが行き着く場所

時空を超えて思いが届くことを願って
今日も『漂流郵便局』に郵便物が流れ着きます。

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