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教えているつもりで教わったのは私だ

その日、息子は私に怒られていた。
ある小さな約束を守らなかったからだ。

私は約束の大切さを説いた後、

「ママは息子くんのことが大好きだよ。でも悪いことをしたら怒るよね。どうしてか分かる?」と聞いてみた。

息子はしばらくじーっと考え込んだ後

「……分かって欲しいから?」と答えた。

私はちょっと意表を突かれた。もっと目先の「僕が約束を守らなかったから」とか「悪い人になって欲しくないから」というような返事を予想していたからだ。

でも考えてみたら、私が怒っているのはまさに「分かって欲しいから」だ。考えれば考えるほど、それ以外に答えはないように思えてくる。


思えば結婚前に夫と喧嘩する度、私はよく「なんで○○してくれないの!?」「どうして○○なの?」という台詞を言っていた。
自分が正しいことを言ってるつもりだったし、むしろ夫が「なんでなんでってうるさいよ!」とキレる意味が分からなかった。ある時夫が
「結局気持ちを分かって欲しいってこと?」
と言った時も、何を今さらと思ったけど
「なんで電話してくれなかったの?」→待っていたから電話して欲しかった
「どうして嘘ついたの?」→嘘をつかれると不安になるからやめて欲しい
というように、気持ちに言い換えるようにしたら大幅に衝突が減った。

私は分かって欲しいという気持ちだけが先走りキツい言い方になり、夫はどうしてと責められることにカチンときてしまう。その喧嘩の本質以外のぶつかり合いが減っただけで、だいぶ楽になった。(もちろんたまに喧嘩はあるけど)


私たち大人がなかなかたどり着けなかったシンプルな答えを、この子はすでに知っているんだなぁ。目から鱗がぼろぼろ落ちた。

「……そうだね、分かって欲しいからだね」

私こそ、自分の怒った気持ちを長々とぶつけるだけになってないか?大事な本質をきちんと伝えられているか?胸に問いただした。

大人だからって、いつだってこどもより正しい訳じゃない。それを間違えないように、忘れないようにしないと。

教えているつもりで、教わったのは私だ。




#子どもに教えられたこと

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