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【読書記録】7つの習慣~人格主義の回復~読んだ感想・要約

現代において、人格は、状況や条件付けによって決定されると考えられている。遺伝子によって、育ちや子供時代の体験によって、取り巻く環境の中にいる誰か・何かによってなど、要因とされるものはさまざまだ。こうした考え方は、刺激/反応理論とも言い換えられる。何らかの刺激によって反応(つまり人格)が決まるという考え方である。

『7つの習慣』は、スティーブン・R・コヴィー博士が、アメリカ建国以来200年間にわたって発刊された「成功に関する文献」を研究した集大成であり、「成功し続けるための原理・原則をまとめたもの」です。

コヴィー博士は、本の中で「成功を目指すならば、まず成功を支える土台となる人格を構築することが何よりも重要である」と人格主義を説いています。人生の成功をテーマにした本は他にもたくさんありますが、人格を成功の土台に据えている点は、同書を際立たせる大きな特徴の1つです。

【7つの習慣~人格主義の回復~】要約

①    基礎原則
②    私的成功の習慣(第1〜第3の習慣)
③    公的成功の習慣(第4〜第6の習慣)
④    再新再生の習慣(第7の習慣)

基礎原則1.パラダイム

パラダイムは、一人ひとり異なる物の見方や捉え方です。私たちは普段、「自分はありのままに物事を見て、判断している」と思ってしまいがちですが、じつは私たちは、物事を“ありのまま”ではなく、ある種の“めがね”を通して見ています。“めがね”は、自分の経験や体験、知識や価値観などから来る自分にとっての“常識”や“当たり前”を指すものです。『7つの習慣』では、この“めがね”のことを「パラダイム」と呼びます。パラダイムによって、物事をどう捉えるかが変わり、どのように意思決定して行動するかが左右され、結果も変わります。だからこそ、望む結果を得るためには、自分がどのようなパラダイムを持っているかに自覚的になることが大切です。

基礎原則2.パラダイムシフト

パラダイムは、自分の人生経験によってつくられているものですが、自分の意思や思考で変えることもできます。『7つの習慣』ではパラダイムが変わることを、「パラダイムシフト」と呼びます。コヴィー博士は、「今の状況や得たい結果を大きく変えたいと思うならば、パラダイムを変えなければならない」と述べています。例えば、仕事で現状を打開したいと思ったとき、小手先の行動だけでなく状況へのパラダイムを変えることが大きな結果の変化につながります。行動することはもちろん大切ですが、パラダイムを変えずに行動だけしても大きな変化は得られません。たとえば、営業と製造で対立しており、営業部の人が「製造は私の敵だ。いつも好き勝手なことを言う」というパラダイムを持っていたとします。このパラダイムを持ったままで「何とか製造部を上手く動かそう」と思っても、製造部との関係性が大きく改善することはないでしょう。今までと違う視点で考えたり、他者の意見を取り入れたりすることで、パラダイムシフトは起こりやすくなります。そして、パラダイムシフトを起こすことによって、新たな打ち手や打開策が見えてきます。

第一の習慣:主体的である
第二の習慣:終わりを思い描くことから始める
第三の習慣:最優先事項を優先する
第四の習慣:Win-Winを考える
第五の習慣:まず理解に徹し、そして理解される
第六の習慣:シナジーを創り出す
第七の習慣:刃を砥ぐ

原則は私たちがすでに知っているものである。原則の具体例としては、「公正」「誠実」「正直」「奉仕」「貢献」「忍耐」「励まし」などが挙げられます。これらを眺めてみると、原則は時代や国を問わず、私たちの良心に根付いている価値観であることが理解できるでしょう。私たちは普段の生活のなかで原則をことさら意識することはないかもしれません。しかし、原則は常に私たちの内面に大きな影響を与えている存在です。『7つの習慣』における原則とは、私たちが豊かな人生を送るうえで嫌でも影響を受ける「重力」や「法則」のようなものです。書籍『7つの習慣』で成長と成功の体系としてまとめられた習慣7つも原則です。そして、『7つの習慣』で紹介される習慣7つを実践するにあたっては、まず大切になるのが「パラダイム」「パラダイムシフト」「インサイド・アウト」という3つの「基礎原則」です。

第1の習慣 主体的である

成功のための第1の習慣は、『主体的である』です。主体的であるとは、簡単に言うとすべてを自己責任として考えることです。そしてすべてを自らの責任の結果であると受け入れ、その上で自らを変化させていくという考え方です。

私たちには、毎日さまざまな出来事が起こります。嬉しいこと、楽しいこと、悲しいこと、悔しいこと、たくさんのことがあります。不運な出来事や納得のできない結末で苦しんだこともあることでしょう。その原因はどこにあったのでしょうか?

もし、誰かのせいにしたり、環境のせいにしたり、親や学校、上司や同僚のせいにしていたら、人生は自らコントロールできるものではなく、常に外部の影響によって振り回されてしまうということになります。しかし、どんな状況も結果もすべては自己責任であると考えてみたらどうでしょうか?今の自分にできることを考え、同じ過ちや失敗を回避する方法を考え、最善の道を選ぶことができるようになります。

例えどんなに理不尽なお客がいても、どんなにパワハラのひどい上司がいても、すべては自己責任です。自分が選んだ道であれば、悩んだり苦しんだりすることはありません。その道で耐えるのか、別の道を選ぶのか、すべての選択肢が自分にあると思えるからです。主体的であれば、自分を信じて、自分の行く末を決めることができるようになります。

第2の習慣 終わりを思い描くことから始める

成功のための第2の習慣は、『終わりを思い描くことから始める』です。本書では、自分の葬儀において家族や友人、仕事仲間などの親しい間柄の人たちから、なんと弔辞を読まれたいかをイメージさせています。

『あなたは手っ取り早く金を稼ぐことばかりを考えて、家族をないがしろにする人でしたね』と言われたいでしょうか。それとも、『あなたがいてくれて本当に良かったし、嬉しかった』と言われたいでしょうか。どんな人生の終わりを思い描くのか、それが人生のゴールです。その人生のゴールからから逆算して考えれば、今をどう生きるべきかが決まります。

ゴールを決めていなければ、今の生き方を決めることはできません。目的地がわからないままに走り出しても、自分の行きたい場所にはたどり着けないのです。

終わりを決めなければ、今を決めることはできません。この考え方は、人生のゴールでなくても良いでしょう。今とりかかっている仕事のゴール、3年後のスキルアップの目標、5年後の自分の貯金額など。人生を成功させるためには、まずはゴールを決め、逆算して自分の今の行動を決めましょう。それを常に習慣化し、努力を積み重ねれば、目指すゴールが少しずつ近づいていくことでしょう。

まとめ

「真の成功は人格を育てることからはじまる」。私自身もそうですが、成功したいと思った時に、人は小手先のテクニックやスキルに頼りがちです。しかし、それらは枝葉に過ぎず、人間にとって根や幹になるのが「人格」なのだとコヴィー先生は言います。これからご紹介する7つの習慣は人格を高める行動そのものなので、毎日歯磨きをするのと同じように習慣化していくことで、成功者に必要な人格が養われていきます。

「主体的である」とは、「人間として自分の人生に対する責任をとること」だとコヴィー先生は言います。主体的でない人は、仕事のミスも、異性にフラれるのも、さらには自分の性格や行動でさえ、なんでも他人のせいにします。しかし、本当に自分の性格や行動を決めているのはすべて自分自身ですよね。

失敗をしてしまった時などは、「次はこうしてみよう」「ここはこう言うべきだったかも」といった感じで、環境や人のせいにせず自ら責任を取っていきましょう。ただ、そうはいっても、世の中には自分の力では変えられない、どうしようもないことだってあります。本書では、自分で変えられる物事の範囲を「影響の輪」と定義し、その中でどう頑張るかを考えるべきだと述べられています。上司の機嫌や天気などは、自分ではどうにもできないことだと割り切って、自分で改善できる「影響の輪」に集中しましょう。その中で結果を出すことで、影響の輪は拡がり、自分で変えられる物事が増えてくるはずです。

要するに、「自分が死んだ後、葬式の弔辞でどんなことを言われたいか?」を思い描くということです。「あの人は誰にでもやさしくて、社会に大きく貢献したよね。」「あの人はいつもブランド品を身に付けて、街でも目立ってたよね」あなたはどんな風に言われたいですか?人によって様々ですが、死んだ後に人からどう思われたいか、これは言い換えるとあなたが大事にしたい「価値観」です。

つまり、今後の人生であなたが行動していく上での「ルール」「原則」をつくることが重要だとコヴィー先生は言います。これがあることによって、あなたの限られた時間をフルに有効活用することができます。価値観が決まっていないのに人生を過ごすということは、ゴール地点がよく分からないマラソン大会に出ているようなものです。「あっちに行けばたどり着けるかも」「この道は通るべきだろうか」といった感じで、迷いが尽きません。「なんのために行動するか」を自覚し、ブレない生き方をしていきましょう。

完訳 7つの習慣 人格主義の回復: Powerful Lessons in Personal Change


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