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まずは、コーヒーを一緒に飲みましょう

地域内を回って話をする仕事はアナログだけど、とにかく顔を合わせることだなぁと実感することが多い。

オンライン上のやりとりはサービスも品質も向上して、わざわざ足を運ばなくてもリアルタイムで様々なことをやり取りできるようになった。

こと田舎においては、おそらく「市(いち)」の文化が濃厚だったことも関係していると思うのだけど、顔を見てコミュニケーションを取ることを大切にしている人、特に50代以上くらいの人たちにその傾向が強いように感じている。

私が行くのは、主には地域の施設。
行く度に職員みなさんが良くしてくれる。

他愛のない話ばかりしているけれど地域の事情やこんな風に考えている、というようなことをいつも教えてくれるのでとても勉強になるし、知らないことを沢山教えてくれるので単純に楽しい。

仮説を立てて、これはどうだろう?と投げかける。
投げかけたものに反応をくれる。
この繰り返し。

その地域に住んでいない私にとっては、非常にありがたく頼りになる存在。

先日、ある会に出席したときに否定的な意見を出した方がいた。
でもきちんと向き合おうと思って、とにかく「うんうん」と耳を傾け御礼をお伝えしたら、逆に「否定的なことばかり言ってごめんね」と謝られたことがあった。

誰しもそれぞれが思っていることを100%伝えたり、深い部分や背景、自分の核の部分まで落とし込んで話してくれることはほとんど無い。

だからこそ、その発言の奥にあるものは何だろう?と考えて聞くようになった。

「そうおっしゃられるのは当たり前です」と意見を伝えてくれた背景を聞かせてもらったときに、そう答えた。

みんな、どうしようもないことを抱えている。
どうにかしたいと思っていても、どうにもならないことの方が多い。
悲観的なことでもなく、それは日々の生活をしている中で当然のようなもの。
そうなってしまう理由もよくわかる。

私は仕事だから、地域の将来を考えることが人よりも多いだけで私だって、自分の生活がまずは一番大事だ。

だからこそ、最初はぽつりぽつりとした世間話から。
その人の人となりやこれまでを伝えてくれることで少しずつ関係性も濃くなっていく。

最初はコーヒー1杯から。
カップが空になるまで、お話をしたい。

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