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憧れのメルヘンハウスでわたしの絵本を


 日泰寺を後にして、向かった先は、子どもの本専門店、メルヘンハウス。


日泰寺のはなし



メルヘンハウスの入り口

メルヘンハウスの誕生は1973年。 「日本で初めての子どもの本専門店」として愛されたものの、インターネット通販の普及による経営悪化などを理由に、2018年に閉店した。 3年半ぶりの開業を実現させたのは、2代目店主の三輪丈太郎さんだ。
メルヘンハウスは地下鉄本山駅近くで20年間営業し、1993年に千種駅近くへと移転している。千種時代は、60坪もの広い店内に約3万冊の本を揃えていた。最盛期には、定期購読サービス「ブッククラブ」の会員は1万5千人にものぼった。来店客とコミュニケーションをとりながら適した本を探すというスタイルも、メルヘンハウスならでは。ここに行けば必ず良い本に出会える、いわば“最高の児童書セレクトショップ”だったのだ。

メルヘンハウスのサイトより

 子どもたちが生まれてから、メルヘンハウスのことを知り、ずっといってみたかったが、いけないままで、ここまで来てしまった。ふと、それを思い出し、メルヘンハウスの選りすぐりの絵本たちを、自分のために買いたくなったのだった。

 講演会などで、お店は不定期に閉まる。SNSで確認してから、いくことにする。ちょうど、カウンセリングで名古屋にいく日に、メルヘンハウスは開店していて、近くの日泰寺も縁日が開かれることを知った。だから、この日にと、決めたのだった。どんな本に出会えるだろうか。期待に胸がふくらむ。

 真っ赤な扉を開けると、地下へとつながる階段がある。どうやら、地下が絵本コーナーのようだ。靴のまま、「いらっしゃい」の声を頼りに、恐る恐る、進む。

 入り口近くには、セルフラッピングコーナーがあり、包装紙がいつか置いてある。配送用セットもあり、絵本を買ったら、すぐに送れる。こういう気遣いがうれしいなぁ。

 階段を降りると、日差しを浴びた、絵本たちがあらわれた。高低差がある土地を上手く利用した建物らしい。庭もある。

 壁に、絵本がずらりと並べられている。100冊はあるだろうか。低年齢の本は下の方へ。上にいくにつれ、だんだん対象年齢が上がっていく。大人向けの絵本もある。カラフルな本の表紙を眺めているだけで、楽しい。こんなにあったら、迷ってしまうなぁ。

 その部屋には、現在のオーナー、二代目の三輪さんがみえた。ご本人にお会いできるとは思いもせず、カチンと固まった。いや、こんな機会はそうはないはず。がんばって、話しかける。

 なかなか来られなかったけれど、ようやく来ることができたこと。今は、小学校の読み聞かせボランティアをしていること。ここで、自分のために本を買いたいこと。怒涛のように、しゃべってしまった。ちょっと、気合いが入りすぎた。

 三輪さんに、おすすめの本をきいてみる。自分のための本、読み聞かせ用の本、その両方を兼ねる本が欲しいと言うと、三輪さんは、迷うことなく、するすると、3冊の本をご紹介くださった。

 『海のアトリエ』

 丁寧に絵が描かれている。ひとつひとつの絵が語りかけてくるようだ。想いのこもった一夏の思い出が、一緒に体験しているかのように、味わい深く伝わってくる。この話、絵も、とても好きだ。こういう話がかいてみたい。お気に入りになりそう。




 『ねぇ どっちがいい?』
これは、読み聞かせ用の本。究極の選択が続く…子どもたちに読み聞かせたら、大盛り上がりだろう。「どれもいや〜」なんて、叫ぶ子もいそうだ。

どっちがいい?
とうさんが がっこうで おどるのと、
かあさんが きっさてんで どなるのと。

絵本『ねぇ どっちがいい?』より


 『いい一日ってなあに?』

 いきいきとしたカラフルな絵とともに、いろいろな人のいい一日を一緒に味わえる。どの日も素敵!自分にとってのいい一日って、どんな日だろうって、考えた。読み聞かせたなら、子どもたちも考えるかな?


 どの本も初めて出会う本だった。わたしのためのわたしの本だ。しかも、選んでいただいたもの。うれしい!胸に抱えて、しみじみとする。うちに帰ったら、また、ゆっくりと読もう。

 緊張しすぎて、絵本を購入したら、すぐに店を出てきてしまった。店内の様子を、写真に撮っておけばよかったと、店を出てから気づく。でも、すぐにまた、店に入る勇気がない。ため息をつきつつ、覚王山の駅に向かう。

 駅がどっちだったか、店を出た途端に、忘れた。勘では、こっちと思って歩き始めたが、嫌な予感がする。携帯で確認したら、反対方向だった。やれやれ。

 浮かれた気持ちで、カウンセリングに行き、まだ、浮かれていたから、浮かれついでに、ひとりカラオケもしてきた。1時間、気持ちよく、想いをこめて、歌う。

 日泰寺、メルヘンハウス、カウンセリングに、カラオケと、その日は、盛りだくさんの楽しい1日になった。まさにいい日!

 また、いこう。
 そう、自分と約束する。



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