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ハンバーグとカポ


 ある日の夕方。

 夕飯準備中。この日の夕飯のメインは和風ハンバーグ。息子の好物だ。コンソメスープとセロリとトマトのサラダも作る。

 息子をバイトとして雇っている。この1年弱、キッチンに並んで過ごし、ずいぶんと料理の腕を上げた。もうひとりで、全て任せられる。わたしが娘宅にいるときには、息子が料理を、夫が片付けをしてくれているらしい。

 和風ハンバーグには、ちょっとだけ残っていた豆腐とおからパウダーも入れる。残り物消費。いつもは、三温糖、酒、みりん、にんにくしょうゆで味付けをするが、息子が何かひらめいたみたいだ。味付けを任せる。

 冷蔵庫から、ポン酢、青じそチューブが出てきた。なるほど、それをいつものタレに追加するらしい。料理は実験。面白そう。

 ハンバーグの両面を焼いてから、フライパンの脂をぬぐい、タレをかけ、からめながら煮詰める。しその香り。しばらく蓋をして、味を染み込ませる。

 ご飯が炊けるまでの待ち時間。息子はアコースティックギターを弾き始めた。3年前から始めたけれど、ここ1年半ほどやめていた。ずっと飾ってあっただけだったギター。チューニングしていたら、弦が切れてしまい、夫が弦をなおしに行ってくれ、またギターが弾けるようになったばかり。

 息子は、「ぼっち・ざ・ろっく!」というアニメをみて、またギターが弾きたくなったようだ。メロディを弾きたいらしい。弾きたい曲をWebで調べて、それを見ながら練習している。好きっていう気持ちは、原動力になるのだなぁ。

 ギター、なんとなく弾けているらしい。聴いていても、わたしにはよくわからないけれど、息子のはちきれんばかりの笑顔が物語っている。ギターの音色が心地よい。

 さて、和風ハンバーグは、しその風味が飛んでいた。青じそは後乗せがいいのかもと、夫と息子とわたしで感想を言い合う。残念ながら、ポン酢もよくわからない。次は、わさびがいいかもねとなり、実験は続きそうだ。


 「カポがほしい」と息子。

 「それじゃあ、明日カポを買いに行こう!」

 で、「カポ」って、いったい何?



カポとは…

カポタスト(イタリア語で「指板の頭〔先端〕」を意味するcapodastro、capo tasto、capotasto から)は、ギターやウクレレなどの弦楽器用アクセサリー、演奏補助器具のひとつである。 略してカポと言われる。

Wikipediaより


※1日置いた和風ハンバーグ、青じそ風味が再び感じられ、お弁当にいいかも、という結論になりました。




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