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犬、猫とともに入居できる老人ホームを撮影して、心に響いてくること。

昨年8月、NHKの番組で知った、横須賀にある老人ホーム(特別養護老人施設=特養)、「さくらの里」。人間の死期を感知して、その最期を看取るように寄り添っていく犬がいるドキュメントでした。この話に心打たれ、翌朝さっそ調べてみると、その施設長・若山三千彦さんが記した、「看取り犬・文福の奇跡」という本が出ていて、ネット記事もたくさんありました。

9/23、最初に伺った時の文福です。
こうやって見つめ合うときのお互いの表情を見ているだけでしあわせです。


そして、読み込んでいくと、この文福こと以外に、過去、入居した老人と犬や猫たちのつながりがわかるエピソードがたくさんあり、この施設そのもののことを写真と文で本に残しておきたいと強く思い、その日、施設にご相談の電話を入れました。
すると、なんと若山さんは、僕の著書『盲導犬クイールの一生』を大切に読んでくれていて、ご自身の本を書かれるときに訪れた編集者が、僕の知人だったということもあり、大いに背中を押されたということでした。
ありがたいことに、取材の快諾をいただき、秋には、横須賀は、京急・北久里浜駅からタクシーで20分ほどの場所にある、「さくらの里」に、何年かぶりに一眼レフを携えて通いました。
9/23、10/4、10/20、10/27の4回。朝10時に現地に着き、夕方5時前後まで撮影していました。
といっても、カメラを持ったまま、ただじーっとしている時間が大部分です。なぜなら、老人たちの動きは極めて少なく、犬や猫たちも、あたたかな空気が流れる場所で、落ち着き、静かに暮らしているのですから。
それでも時折、犬たちがとことこと車椅子の下で歩き回ったり個室のベッドに乗ったり。猫はうろうろして足元にすり寄ったり個室のベッドから出てきたり。そうして、人や、犬猫の仲間とと触れ合う瞬間を写真に収めていきました。

入居者に抱いてもらう、保護猫でホームにきた、かっちゃん。2/11に生涯を閉じました。
中央のタイガも保護猫からここに。きたときから右前脚が曲がっているのは誰かに傷つけらたのかもしれません。


そして本日、5回目の撮影に向かいます。前回から8ヶ月弱。この間に、犬、猫、人、いくつかの命が天に昇ったとのことです。そして、新たに保護猫が迎えられ、新しい入居者の方も、以前からいる猫と、同じ個室でべったりくっついて暮らしているとのこと。また、ぎりぎり歩けていた古参のおとなしい大型犬は、車椅子カートで歩く練習をはじめたところらしいです。
そんなみんなに会え、写真に残せることも、じわっと込みあがってくる喜びに、今日は浸れます。では行ってきます。



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