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日記シリーズ

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「存在しない小説の第一話」をコンセプトに、日記形式で書かれたオムニバス掌編小説。 ひとつひとつの話は独立していて、内容自体のリンクはありません。また内容も本当の日記ではありません。
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記事一覧

令和4年6月15日

珍しく友達から連絡が来たので何事かと思えば、ライブに行かないかというお誘いだった。そういえばこの友達とは、同じアーティストが好きで仲良くなったことを思い出した。近所のハコ(ライブハウス)でやるそうだ。もちろん行くと即答した。

ところで最近どうしてんの?
「メイドカフェで働き始めた」え。
「てか今度おいでよ」え?



身の回りにはガールズバーのキャストも、コンカフェ(コンテンツorコンセプトカ

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平成22年9月11日

平成22年9月11日

女子大の理学部の実験室、静かなエアコンの稼働音、ガラス越しにも響く蝉の声。女子大生との出会いを期待してやってきたぼくは、それが幻想だと知り、今はただ涼むため、科学展の会場に居た。



高専と、女子大、教育大。この県には3つの国立高等教育機関がある───おっと、山奥にある先端ナントカ大学院大学を忘れていた。まぁ忘れていてもいいや。
毎年この県では子供向けの科学展をやっていて、それが先の3校で毎年

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平成26年2月23日

その男がバイオリンの弦───小さなアクリルの透明な抽斗の中にあったものを全て、ごっそり掴んでコートに入れたのを見たあと、ぼくたちは何mも離れていたのにばっちり目が合った。
棚卸しが合わないなと気付き始めた今日この頃、よく見かける怪しい男がいる───とぼくに相談していた同僚に、「アイツです」と耳打ちされたぼくは、少し離れた陳列棚に隠れ、ギターピックを整理しているフリをしながら男を見張っていた。
男の

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平成21年8月1日

家と違って冷房の効いている私鉄の車両に揺られながら、溜まったメールを確認するのが毎月1日のぼくの習慣であった。
"電車で通学するようになったから、最低限の緊急連絡用に"との事で、中学校を卒業してから親に持たせてもらったFOMA P903iは、パケ・ホーダイではなかったため、月に数MB使った後はデータ通信が停まり、電話の着信ができるだけの木偶になる。大方、ぼくは月の中頃から誰にもメールを送れず、受信

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