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ゆく年くる年、亡くなる年


年の瀬ですね。

目眩を覚えるような二〇二三年が
残すところあと三日ほどということですが。

変に落ち着いたりしないでさ
目眩させたまま終わってほしかったんだよ。


先週 この世に生を受けてから
最もらしい “好き” を
自分の中に持つことになった男を

得意のこわさで手放して

かと思えば翌日、違う人に告白されて

なぜあれが恋にならなかったんだって
あんなの愛じゃなかったって
そんなんばかりが横たわってる。

この世に生を受けて なんて表現をするほど
壮大で荘厳な恋であったわけで。

散々泣きはらして
泣いては綴り、綴っては吐き、吐いては泣いて
力尽きて眠り
夢にまた泣いては目が覚めて。

合間には合羽を着て遅刻しながら出社して
演技して
もう俳優になれるんじゃないかと思った。

人は 十日くらいなら
紅茶とチョコレートで生きていけるみたいです。

一見物凄く洒落た様子だけれど
その裏側ではわたしの地獄が煮えていました。


そんなになるなら手放さなければ
なんてことを言われるのもごめんで大概で
特別 人になんて話さないんです。

この悲しみも寂しさも苦しさも恨みも憎しみも
呪いたくなるような後悔も
ぜんぶぜんぶ、ぜんぶわたしだけのもの。

私がこうしている間にも
別の誰かと笑っていることはきっと

最終的に 私が望んでいる世界と信じたい。

寂しいって 贅沢を抱き締めて

文学と音楽だけが味方で
何を思ったって 感情まるごと
自由に独り占めすることができた。

この十日 伝えきれないほどの
感情の種から成る言葉の花が次々に開花して

最後の言葉は
一人では知ることができなかった
この人生にたくさんの感情をくれて
心を動かしてくれて
ありがとう。

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