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「ニコニコ超会議2023」③

 最新のテクノロジーを扱った企画に出会えるのも、「ニコニコ超会議」に参加する楽しみの一つである。
 今回は、KADOKAWAによる“未来の書店”「超ダ・ヴィンチストア2023」が印象に残った。

 これは「アバター書店員」である。アバターの「中の人」は、本物の書店員や本に詳しいコンシェルジュの方だそうだ。実際に客と会話をしながら、相手に合った本を探してくれるということで、私も試してみた。
 アバター書店員からの質問に対して、
「本を読むのは好き」
「最近は仕事の関係で教育関連の本を読むことが多い」
「この4月から職場が変わって、通勤時間が長くなった」
「通勤の電車の中で読めるような、面白い本を探している」
 などと答えていった結果、お薦めをしてくれたのはこの本だった。

 アバター書店員(中の人)によると、お薦めの理由は、
〇著者の斎藤幸平氏は東大の准教授だが、いわゆる学術書ではなく、実体験に基づいたノンフィクションである。
〇一つ一つの章が短く、それぞれ完結しているので、通勤の途中などでも読みやすい。
〇けっして堅い本ではないが、教育書を読んでいる人にも向いている内容だと思う。
 ということだそうだ。

 早速、この本を購入をしたので、連休中に読んでみることにしたい。
 ・・・いや、せっかくだから連休明けに通勤電車の中で読むべきだろうな、この本は。

 これはアバターではなく、AIの書店員「ダ・ヴィンチさん」である。このダ・ヴィンチさんは、対話の内容と表情を分析することにより、相手にピッタリの一冊を選んでくれるのだ。
 残念ながら、ダ・ヴィンチさんと会話をすることはできなかったので、私にどんな本を選んでくれたのかはわからない。先ほどのアバター書店員さんと同じ本を薦めてくれたのだろうか、それとも・・・、と気になるところだ。

 この「メタバース書店」は、実際の店舗をもとして仮想空間につくられた書店である。「書店」の中を回って、試し読みや購入などができるほか、気になる本のレビューを閲覧することも可能である。


 このほかに、日本国内のほぼすべての本を検索したり、実際に購入したりできる「アンリミテッド本棚」というタブレット端末などもあった。時間があれば、もっとゆっくり見たり体験したりしたかったところだ。

 Amazonなどを使って、オンラインで書籍を注文することはたしかに便利である。だが、書店の中を回って本を探し、試し読みや比較をしながら「この1冊」を見つけるという楽しみは捨てがたい。
 その一方で、時間的・地理的・身体的な理由などで書店に行くことが難しいという人も少なくないだろう。「メタバース書店」のようなサービスに対するニーズは、間違いなくあると思う。また、そこにアバターやAIなどの技術が加われば、その可能性はさらに大きく広がることだろう。(つづく)

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