「ニコニコ超会議2023」②
「『ニコニコ超会議』って、オタクのイベントでしょう?」
と聞かれることがある。
たしかに、マスコミではコスプレや痛車などのいわゆる「オタク文化」がこのイベントの象徴として取り上げられることが多い。
だが、それは正しいとも言えるし、間違っているとも言える。
このイベントの原点は、日本最大級の動画サービス「ニコニコ(niconico)」にある。「ニコニコ」は、YouTubeと同じようなプラットフォームだ。そこでは、いわゆるオタクも動画投稿や生配信をするし、オタク以外のユーザーも同時に存在する。
そのプラットフォームをリアルなイベントにしたのが「超会議」なのだ。だから、会場にはオタクもそれ以外のユーザーも混在しているのである。
しかし、ここで疑問が生じる。
そもそも、オタクとオタク以外を分ける境界線などあるのだろうか。
たとえば今回の会場内には、最新のアニメソングに合わせて踊るグループと、伝統的な阿波踊りを披露するグループとが混在していた。一般的には前者をオタクと呼び、後者は違うのかもしれない。
しかし、踊ることが大好きで、それを極めようとしている点では、むしろ共通点のほうが多いように思えるのだ。
ある分野に興味をもち、それを極めようとする人をオタクと呼ぶのならば、
「大谷翔平選手は野球オタク」
「藤井聡太六冠は将棋オタク」
と言えなくもないのである。
「『ニコニコ超会議』って、オタクのイベントでしょう?」
と聞かれたら、
「いいえ、一つのことを極めようとする人たちのイベントですよ」
と答えるのが正解なのかもしれない。(つづく)
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