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遊びとスポーツ

最近、小さな時を振り返ることが多くなった。

子どもたちは、どのように育つと大きくなってスポーツが好きになったり、好きなスポーツに打ち込もうって思えるんだろうか、と考えることが多々ある。

小学生を対象にお話をしたり、陸上教室をする機会をいただき、私は一番に体を動かす楽しさ、喜びを伝えたいと思っている。

何故そう思うかというと、私が小学生の頃、走る授業やマラソン大会が好きというわけではなかった。自分の中では、走るのが好きという自覚がなかった。だから、きっとそういう子もいるんじゃないかと思い、その子たちがこれなら楽しい!って思えて、スポーツや走ることに対してイメージが少しでも変わるきっかけになればいいなと思っている。好きな子にとっても、面白いと思える時間にしてもらえたらと思う。

また、色んなトップアスリートの方々のお話を聞いた中で、

"世界のトップで戦い、今も生き残っている選手は、その競技を面白がってやっている"

という話を聞いた。遊びとスポーツというトークセッションの中で、為末大さんがお話されていた。
やっぱりそうかという気持ちと、トップレベルの選手の考え方はとても面白いと思った。これは、勝ち負けがある勝負の世界で勝ってきた選手は、毎回大きなプレッシャーと戦っていることも事実だけど、その選手の中には面白がる→面白い楽しい!という気持ちがあるから、長くトップ選手として活躍=勝ち残っているのだろうと、自分なりに解釈した。
また元選手からの視点で言うと、面白がる気持ちを感じたことはあるが、それが長く続かなかった。改めて現役時代に足りなかった事を思い出すと同時に、長くトップレベルで戦う選手の思考に触れられて感心した。

しかし、面白がろう!と思って面白がれるわけではない。やはり、子どもの時に遊んでいるかは大切ではないかと思う。遊びの中では、想像力が養われてるとも感じる。幼稚園や小学校へ行ったり、子どもと接していると、子どもの作った遊びに誘われることがある。子どもたちは、自分たちで遊びを作り、ルールーを作り、時には小さな言い合いもしながら、楽しんでいる。子どもの想像力に感心させられる時がある。
面白がるには、大人になっても子どものような好奇心と、想像力が必要ではないかと思う。

幸い、私の子ども時代は、幼稚園でも自然いっぱいの園内で遊んでいたようだ。小学生のころも、同じ社宅の子たちといつも外で走り回ったり、倉庫に登ったり、今考えると自由に子どもだけの空間で遊んでいたように思う。そのおかげでなのか、今でも子ども並みの好奇心があるように思う。

そんなことを考えながら、私はとにかく陸上を、スポーツを、もっとシンプルに体を動かすことが面白いと子どもに感じてもらう機会を提供したいと思った。こんなふうにどんどんシンプルになっている。

理想なのは、周りのニーズ(走るスキルを教えてほしい)に応えるところもクリアしつつ、子どもが無条件に面白いと思う時間、スポーツを面白がるきっかけを、作れたら良いなと思う。その方法として、陸上の動きが入っているのが良いなと思う。何が良いかは常に探して続けているが、これは今の目指したいものだ。もしかすると今後も変わっていくのかも知れない。

そして、スキルは面白がれる土台がある上にないと生きないのではないかと感じる。土台がないのに、スキルを押し込まれると、結局長く続かなかったり、プレッシャーに負けるのではないかと思う。面白がれることは、武器なんだと思う。
そんなことを考えていると、ボルト選手の記事が目にとまった。ボルト選手は、この記事内で「12-14歳の子どもに大切なのは楽しむこと…」と言われている。

面白がれる+スキル

私は今は趣味で走っている。何秒で走りたい、勝ちたいというより、面白がるに近いんだなと、改めて思う。"速くなりたい、勝ちたい" が強かった現役時代は、できない動き(動きを作るドリルなど)があるとイライラしたり、だからダメなんだと責めたり、出来ないから避けたりネガティブな感情の方が強かった。
びっくりすることに、今は出来なくても面白い。なぜ出来ないかを考えることも、自分を知る作業で面白いし、微調整してできるとさらに面白い。
現役時代は、勝つためにしんどい練習をしてた。今は趣味なのに、なんでこんな練習するんだろう?と思う時があるけど、シンプルにこのメニュー(50m×10を2セットなど)は今の自分にこなせるのか?というプチチャレンジを楽しんでいる。チャレンジの中で、真剣に取り組む(=学生と同じ本数で走る…)と今でも発見があって、気づいた瞬間は嬉しいし面白いな〜と思う。今も走ることが、面白いと思えることが、また嬉しい。理想を言うと、出来るだけ長くそう感じられる自分でいたい。

(小学校の運動会でリレー。短距離の練習の成果を出せる場所!?)

そういう意味では、勝ち負けのこだわりを意識しなくて良いと、面白い瞬間は増えたのかも知れない。
遊び=面白がることと、スポーツ=陸上について書いていると、長くなってしまった。

陸上人生の中で、数少ないが面白がれた試合がある。それはまた次回書きたい。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。共感していただいだり、楽しんでいただけましたら、とても嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m