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満たすもの

お酒は美味しく呑むがモットーである。
基本的に、食事と一緒に嗜む程度の量しか呑まない。ビールで始まり、ロックの焼酎で〆る。2から3杯程度のアルコールを食事と共に胃に注入していく。ところが、食べ飲み放題であれば話は別である。しっかりと食べしっかりと呑む。残念ながら今回は、生ビールに追加料金が発生してしまったためレモンサワーからのスタートとなった。ご飯、ご飯、ご飯、お酒、ご飯、ご飯、お酒というペースで私の胃袋と心が満たされていく。私の目の前に、鶏肉がメインの料理が次々と運ばれてくる。周りはお喋りに全集中と言ったところだ。次第に、周りの人間がお酒に翻弄されはじめる。ロック、ロック、ロック。1人だけグラスが違うことにももう慣れた。美味しくアルコールを感じたいただそれだけ。ロックグラスが到着したら隅っこで呑んでいる私の元に静かにやってくる。これが認知されるというやつか。少し寂しさを感じながら呑み続ける。可愛げのないくらい全く酔わないということに加え、周りが酔いだすと逆に冷静になってしまう。つまりはだ、呑み始める前から介抱担当としてご指名をいただける。そして、「安心して呑めるわ」という言葉をスリルを味わいたいがために求めてしまっている自分がいた。酔っ払った人間ほど面白い人間はいないのではないか。そこで本性も人間性も暴かれてしまう。そんな、翻弄されるかされないかの紙一重の時間は、一つひとつ大切にしたいと話に花を咲かせながら思う。
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カラオケで咳き込んで、込み上げた酸っぱいものを感じた午前3時。そろそろ、寝るか叫ぶか人間の本領が試されるころだ。

end.

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