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○536~538 「たられば」「25」「初夏のキャンバス」

載せていたと思い込んでいた三作品が載っていなかったので、まとめて掲載します。
大分ご無沙汰になってしまった。
7月から少し忙しくなってますが、元気にやっています。


「たられば」

たらればたらればと
終わった後をまだ見つめている
それで過去は変わるかい
切り離していく人生はもう完結して
後付の介入は望まない惰性
それでも仮想を立てて
違った結末を描いて
あたかも全て上手く行った点数にして
満足ならいいけど
直感でも迷いでも
最後には私が決める
間違いでも正解でも
そんなことはどうでもいいもの
否が応でも進んでいくのを
拒めない運命
たらればではないけれど
議論の余地はないことは明白



「25」

静まり返った寝室の暗がりに
隠れるように眠る前
また朝がやり直してくれると
もう期待している
太陽と月は折半という結果から
地上を温めたり冷ましたり
人はそれに振り回され
自然は喜びに踊る
そんな世界なのだから
私たちがあれこれ難癖つけるのは
初めから誤りだったのだ
傲慢は歴史に血を流させて
目的などもう探すことさえ忘れても
大切な命だと言う
一日は24という枠であると
たどり着いたのは当時であるし
それからは覆らない不思議を継続する
ある種の凄み
もう朝が来てしまう
勝手に来るのか来てくれるのか
そんな罪な主観を私も持っているというざまで
25を迎えましょうか



「初夏のキャンバス」

皮膚を纏う水分たっぷりの風
一日の始まりに熱を背負い
仕事場まででも大仕事
口では暑さをぼやいても
どこか許せてしまうあの青空に
ちょっとばかし照れくさくもある
夏休みの一週間前から
頭の半分はもう海に浸かってるかのように
浮き足だっていた懐かしい感覚
未だに忘れない
毎日走り回った日々に似た
あの頃の夢の続きをまた今年も描く
それぞれの輝きは
ずっと光続けたまま
そこで待っている
夏が来る度に感じていただろう
そこで待っていたことを


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NAKAJI

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