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「国道1号 完走RTA」やってみた

はじめに

みなさんご存知、この国の大動脈である国道1号。東京から大阪までの旧五街道でいう東海道を結び、その全延長は約650kmに及びます。

Phiror - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=40095280による

いままで国道1号走破はYouTube等でも多く取り上げられてきました。そこでみなさんかかった時間を報告しているのを見て、ふと思いついたのがこの「国道1号完走RTA」です。この競技(?)の特筆すべき点はバイパスと現道を自由に選べる区間があること。国道1号にはバイパスと現道が併存する区間があります。以下はその例。

  • 横浜新道

  • 新湘南バイパス

  • 西湘バイパス

  • 箱根新道

  • 静清バイパス

  • 京滋バイパス

  • 第二京阪

これらを上手に使うことで時間の短縮を図ることができます。もちろんこの中には有料のものも含まれています。

今回は以下のルールで国道1号完走RTAをすることにしました。

・バイパスは起点と終点が共に国道1号現道に接続する場合のみ利用可

過去のほとんどのチャレンジャーはRTAにおいて有料バイパスを避けてきました。これを積極的に利用することでより良いスコアを求めるRTAとしての工夫と矜持がもっと現れるはずです!

もちろん安全運転を心がけております。RTAですので、休憩時間も規定するべきな気はするのですが(でないと時間調整をして渋滞にかからない時間を自由に選択できてしまいます)、今回は初回ですし3人で運転するのでルールを決めずに適当に短めの休憩を行い、休憩時間もカウントしてみます。

計画

計画段階が旅行で一番楽しいですからね、しっかりと練っていきましょう。大事なのはとにかく渋滞を避けること、バイパスを有料も含めてできる限り使うこと。

目安タイムは大体休憩入れて15時間くらいと予想。渋滞しない出発時間を考えたいところです。
三大都市圏すべてで渋滞は避けたいところですが、愛知県、三重県の区間では並走するバイパスが国道23号になってしまい、国道1号自体はあまり道路状況が良くありません。そこでここを最重要と考えて夜中のうちに通過することにしました。
あとは大阪府内も市街地を通らざるを得ないのでラッシュが来る朝までには着きたいところ。都内は少し妥協することになりますが、平日13時スタートに決めました。

実走

レンタカーを借りよう

さて、時は2023年2月6日(月)。大学生の我々はちょうどテストを終えて実家に帰省する集団を結成しました。A君、K君、そして僕の3人です。いやー、こんなわけわからん企画についてきてくれる友達がいてよかった。ちなみに企画者の僕だけ当日提出のレポートが終わっていません。最悪です。

レンタカーを錦糸町のトヨタレンタカーで調達。片道goという乗り捨て先が決まっている代わりに激安でレンタカーを借りられるものを使っています。今回は愛知県内の返却で基本料金は24時間2200円のプリウスα。あり得ない安さです、最高〜 プリウスは燃費が良いのでガソリン代も期待できます。ミサイルにならないように気をつけよう。

ちょうど12時過ぎに借り、順調に国道1号の起点である東京日本橋へ向かいます。まずは僕が運転。昼間は1市町村1枚を目安に写真を貼っていきます。

12:54 日本橋(東京都中央区)

スタートから0分

さあ高まってきた!!!長い長いドライブのスタートです。しばらくは東京駅〜丸の内の都会を走ります。

13:02 日比谷〜祝田橋(東京都千代田区)

スタートから8分

皇居沿いに走ります。晴海通りという名前らしい。内堀通りの延長くらいにしか思ってなかった。

13:05 虎ノ門一丁目(東京都港区)

スタートから11分

オフィス街ですね〜 信号が多く進みませんがさほど交通量は多くありません。

13:18 五反田駅(東京都品川区)

スタートから24分

五反田駅の高架下。やっと山手線の外に出られます。

13:39 多摩川大橋(東京都大田区・神奈川県川崎市幸区)

スタートから45分

多摩川を越えて東京脱出!まずまずのペース。

14:03 立町(神奈川県横浜市神奈川区)

スタートから1時間9分

ここで大事な分岐点に到達。青看の案内の通りどちらも一号線ですが、横浜新道は使える国道1号バイパスですから迷いなく右に分岐します。青看板も小田原、戸塚方面へ向かう車を誘導していますね。

14:14 横浜新道常盤台IC(神奈川県横浜市保土ヶ谷区)

スタートから1時間20分

ここから横浜新道に入ります。時間短縮!いま鬱憤を晴らすとき。
高速道路入口でありながら奥には国道1号のおにぎり看板もあります。逆光で見えにくいですが…

見えにくいのでそこだけ拡大 画質悪過ぎてごめん

14:28 原宿〜聖母の園入口(神奈川県横浜市戸塚区)

スタートから1時間34分

先ほどの地点から14kmありますが、14分で通過できました!横浜新道はもちろん、戸塚ICから接続する戸塚道路も無料バイパスの様相で非常に快適です。横浜新道は320円の価値がある素晴らしい時短効果です。気づけば藤沢まであと4km。

14:37 藤沢インター(神奈川県藤沢市)

スタートから1時間43分

ここもショートカットポイントです。新湘南バイパスを使います。このバイパスも有料ですがしっかり国道1号の指定を受けています。バイパスに上がると富士山が正面に現れました。霞んではいますが尊いですねえ〜

地理院地図でもしっかり国道1号マーク付きの有料道路
富士山に向かって走る!

14:43 茅ヶ崎西インター(神奈川県茅ヶ崎市)

スタートから1時間49分

ものの6分で新湘南バイパスはおしまい。茅ヶ崎西インターで降ります。
単に早く行くなら終点の茅ヶ崎海岸ICまで乗って、そこから国道134号、西湘バイパスと使った方が早いですが、国道1号縛りがあるので現道と交差するここ茅ヶ崎西ICまでしか利用できません。あとで西湘バイパスにも乗るのでなかなか歯痒い遠回りです。

ICを降りて数分走ると「静岡」の文字と初顔合わせ。これは嬉しい。

15:02〜15:13 セブンイレブン大磯国府本郷店(神奈川県中郡大磯町)

スタートから2時間8分

2時間経ちましたね、僕も運転に疲れたのでK君にバトンタッチします。ついでに食料も補給。

15:14 大磯西インター(神奈川県中郡大磯町)

スタートから2時間9分

セブンイレブン至近の国府本郷交差点を左折して西湘バイパスに入ります。

国府本郷交差点
西湘バイパスは眺めがいい

このあたりの西湘バイパスと国道1号線は直接交わっているわけではないため、連絡する道路が国道1号線に指定されているかどうかを確認する必要があります。例えば、大磯東ICの連絡道は地理院地図を見ると国道134号指定となっているため使えません…

GoogleMapも細かい部分の国道指定に関してはたまに間違っていて結構怪しいので(Open Street Mapの方があてになることが多いです)地理院地図とにらめっこして確認する必要があります。

15:28 箱根口IC(神奈川県小田原市)

スタートから2時間23分

やはりバイパスは偉大ですね。あっという間に箱根口まで辿り着きました。そのまま箱根新道へ突っ込んでいきます。

車の時計は3分ずれです、紛らわしい。

15:49 箱根峠(神奈川県足柄下郡箱根町・静岡県田方郡函南町)

スタートから2時間44分

ついに関東脱出!箱根まで2時間44分、昼間にしては相当いい感じです。この辺りは本当に快適に走れます。

画質が終わり散らかしてますがご了承を…

箱根峠を越えると富士山を横目に坂をひたすら下ります。

16:09 谷田小山中島(静岡県三島市)

スタートから3時間4分

峠から下りてきました。どこにでもある至って普通の国道感。早く四車線区間に突入して国道1号の名に恥じぬ威光を見せてくれ。

16:16 清水町玉川〜柿田川公園前(静岡県駿東郡清水町)

スタートから3時間11分

無事四車線になりましたが、時間がラッシュに迫ってきて単純に交通量も増えた感じがします。なんとか静清バイパスの夕方の渋滞を避けたいなあとか思っていました。

ちなみに左側の森は天然記念物にもなっている柿田川湧水群らしく。まあ、乗ってるときは見向きもしませんでしたが…

沼津を抜けて富士市に入ると車の流れが良くなりました。車窓には富士山が映っています。2月とは思えないくらい雪が少ないですね!まあ富士山はどんな姿でも美しいです。

17:04 薩埵峠下付近(静岡県静岡市清水区)

スタートから3時間59分

4時間経過で由比まで来れましたね〜!富士由比バイパスは右に鉄道、左に海と東名高速があり、走ってて退屈しない楽しい道です。かなり好き。

東名と交差します
インフラパワーを感じる〜

17:17 庵原(静岡県静岡市清水区)

スタートから4時間12分

静清バイパスの平面区間。初の渋滞らしい渋滞です。これを避けたかったんですが、そんなにうまくはいかないですね、悔しいですが。まさにこの渋滞を解消するための立体交差化工事が進められています。

この旅行の5ヶ月後、7月にちょうどこの辺りで工事中の橋梁落下による死亡事故があったようです。僕は車内でこの工事の安全管理を題材に課題のレポートを書いたのでかなりショックでした。9月には東京駅近くのビル建設で鉄骨落下事故もありましたし、続かないといいのですが。

18:01〜19:30 野田IC(静岡県島田市)

スタートから4時間56分

その後は多少混むくらいで静清BP→岡部BP→藤枝BPとバイパスを走り、島田で夕飯をとることに。行く先は静岡の定番スポット(?)さわやか!

暗くてブレまくってますが、ICを降りたところ

平日とはいえさすがは人気店、30分くらい待ちました。ちなみに待ち時間もひたすらレポートを書きました(汗)。そしてげんこつハンバーグが出てきます。相変わらず美味い!

ちなみに(K君の受け売りですが)きざみわさびを50円でトッピングするのがおすすめです。独特なさっぱりさで味変にぴったりです。わさび苦手な僕でも美味しく食べられるので苦手な人も是非。

ゆっくり食べてリフレッシュしたところで出発。運転者はA君にバトンタッチ。混雑もなくなったところ、先を急ぎましょう。

またブレブレの写真をあげる
まあ1号線に戻った証拠みたいなもんです

20:09 中野町IC(静岡県磐田市)

スタートから5時間35分

快調に島田金谷BP→日坂BP→掛川BP→磐田BP→浜松BPと無数に続く快適なバイパスを走り、天竜川を渡りました。そこで現れるのがこの片側5車線の道路と大分岐です。

写真では見にくいですが、右2車線が浜松市街と東名、左2車線が名古屋、豊橋方面の案内がされています。頭の中でぼんやりと浜松の方に進めばいい…とか思っていた我々は、危うく右2車線を進み大幅な時間ロスをしそうになりましたが、運転してないK君と僕によるネプリーグのボーナスステージばりの「左や左!!!」の叫びで事なきを得ました。これがチームワークや…!

20:35 新居弁天IC(静岡県湖西市)

スタートから6時間1分

スタートからの経過時間は大台の6時間を超えてきました。一行は最強のバイパスとしても名高い浜名バイパスを順調に走行。緑看板って気持ちいい。写真は真っ暗で何も見えないですが、左側は多分砂浜のはずです。昼間はいい景色なんだろうな。

20:44 豊橋東IC(愛知県豊橋市)

スタートから6時間10分

長かった静岡県を抜け、愛知県に入りました〜〜〜!ということでテンションを上げたいのですが、そうもいきません。国道1号はここまで浜名バイパス→潮見バイパスと超高規格な道が続いてきたわけですが、この先続く豊橋東バイパス(写真の高架)は国道23号となってしまうため降りざるを得ないのです。国道23号と並行する豊橋市から四日市市までは国道1号に高規格なバイパスはありません(一応北勢バイパスがあるけど今回のルールでは使えない)。苦行の区間の始まり始まり…

豊橋東ICを降りたところにある境川交差点
「境川」は名前の通り県境になっているらしい
グーグル先生からもらってきた豊橋東ICの案内
名古屋方面は国道23号だからな!!!
わざわざ降りるのはキモオタクだけ

21:04 西八丁(愛知県豊橋市)

スタートから6時間30分

豊橋の中心地まで出てきました。空いてる時間なら普通に快適な道です。あと路面電車と並走するの楽しすぎる。

22:18 北平部(愛知県名古屋市緑区)

スタートから7時間44分

かなり順調に名古屋市まで来ました。全然信号にかからなかった気がします。環状2号こと国道302号との交差点です。でかい。

22:22〜22:41 セブンイレブン名古屋鳴海町母呂後店(愛知県名古屋市緑区)

スタートから7時間48分

3時間近くA君に運転してもらったので休憩タイムです。いやー長かったですね。僕が車の中でちょこちょこ書き進めていた課題レポートがここでようやく終わったのでここからは僕が運転します。旅先でやるレポートほど完成度の低いものもない。まあ出さない神レポより出すゴミレポだし!

22:56 熱田神宮南(愛知県名古屋市熱田区)

スタートから8時間3分

名古屋を渋滞なしで通過することを主眼に置いたスケジュールだけあって、信号こそ多いですがいい感じで進めています。あんまりストレスも溜まらない。

ここ、熱田神宮南交差点は国道19号、国道22号、国道247号の起点になっていて多分国道界では名古屋で一番重要な交差点です。道幅も異様に広い。

23:28 尾張大橋(三重県桑名市)

スタートから8時間35分

一行は順調に三重県に入りました!尾張大橋は90年前の橋なんですよね、伊勢湾台風も乗り越えていまだに第一線なのは本当にすごい。

23:57 諏訪栄町(三重県四日市市)

スタートから9時間4分

日付を回る頃です。こんな深夜にも青く輝く三重県名物「eisu」。

「三重の国道1号に人権はない」とはよく言ったもので(言いません)、夜中のくせに静岡の快適さが嘘のように進みません。20km進むのに30分以上かかっています。

0:24 亀山IC付近(三重県亀山市)

スタートから9時間31分

道路の要塞、亀山に到達。名阪国道、伊勢道、新名神、東名阪道…と緑の文字がひしめき合っています、恐ろしい… 我々は残念ながらそのどれでもない「大津」の文字を目指して進みます。ここもぼーっと直進していると国道25号名阪国道に吸われます。まあこのまま鈴鹿峠越える人なんてほとんどいないですから合理的な設計ですね。

0:38 鈴鹿峠(滋賀県甲賀市)

スタートから9時間45分

亀山からは鈴鹿峠を越えて滋賀県に入ります。箱根以来の山道らしい山道です。とはいえしっかり整備されているので難なく通過。この辺りから同行者の声が聞こえなくなりました… みんな運転で疲れていますからね。話し相手がいなくなったのでFMから自分の好きな音楽に切り替えて眠さを吹き飛ばす!

1:09 大橋(栗東IC付近)(滋賀県栗東市)

スタートから10時間16分

ついに10時間を越えて栗東につきました。ここまで来ると関西感があります。国道8号と合流し、ロードサイド店舗達を横目に黙々と進んでいきます。

1:16 草津三丁目(滋賀県草津市)

スタートから10時間23分

さあここが超重要分岐です。分岐には国道1号は左に行けと書いていますが、最速を目指す我々は問答無用で直進するのです!!!

というのもここは京滋バイパスとの分岐点。国道1号はここから京都の久御山町まで並行しています(下の地図参照:星が現在地、青が現道、赤が京滋バイパス)。京滋バイパスは一部有料ではありますが、立派な国道1号なのです。そして京都の市街地を通らないというのは爆アドです…!

1:21 瀬田東IC(滋賀県大津市)

スタートから10時間28分

というわけで躊躇なく料金所を通っていきましょう、実質高速気持ちええ〜〜〜

1:34 巨椋IC(京都府宇治市)

スタートから10時間41分

現道に合流しないといけないので京滋バイパスを降りて側道を走っていきます。もちろん側道も国道1号の指定がされています。

1:38 京滋バイパス森(京都府久世郡久御山町)

スタートから10時間45分

この交差点で左折し、現道に合流します。本当は第二京阪を利用したいところなのですが、大阪方に現道に接続している地点がないため泣く泣く現道利用です。

2:00 中振(大阪府枚方市)

スタートから11時間07分

僕の運転も3時間を超えてきたので、大阪府入ったあたりから起きたK君と「その辺にコンビニあったら入って交代しよう」と話していたのですが、一向に良さげなコンビニがなく、やっと見つけたと思ったら右車線走ってたとかを繰り返してゴールまでこのまま行くか…になってきましたね。

そうこうしているうちに国道170号と交差しました。いわゆる「外環」ですね。あっ関東の皆さん今なんて読みましたか?こっちは「そとかん」ですからね、お間違えないように〜

2:08 大日町2丁目(大阪府守口市)

スタートから11時間15分

ここで中環に入ります。ここもまっすぐ進んでしまうとルートミスになってしまうポイントです。守口JCT直下の謎のスペースを案内に従って進んでいきます。

2:14 守口車庫前(大阪府守口市)

スタートから11時間21分

中環の内側に入るとかなり都会の雰囲気。この時間でも車がそこそこいます、流石。気分的にはゴールは目前という感じです。

2:29 西天満(大阪府北区)

スタートから11時間36分

タクシーがめちゃくちゃ増えてきました。みんなさぞ気持ちよく飲んでいることでしょうね。写真右の高架を上ると「地獄への道は善意で舗装されていて、中央分離帯には線路が敷いてあって、5分に1本千里中央行きの列車が来る」でお馴染み(?)、新御堂筋に入れます。

気づいたら曽根崎通の通称がついてました、どこからなんだこれ。本当にゴールは間近です。

2:33 梅田新道(大阪府北区)

スタートから11時間40分

ついに国道1号完走!!!!!信号にかからず写真がブレブレなので梅新東の写真ですが。奥に見えている信号が終点の梅田新道です。

ここで測定し続けてきたタイマーも止めました。11時間40分10秒です。結構良いタイムなんじゃね!?!?!?ってことで車内は大いに盛り上がりました。

結果

実走時間 11時間40分
休憩時間 1時間59分
合計所要時間 13時間39分

使った有料バイパスの料金 合計1410円

正確な距離は計算していないですが、バイパスを考慮しない場合の現道自体は543.1kmです。これを用いると平均時速は47km程度となり、一般道メインの割には早いといった感じでしょうか。

やった感想としては意外と疲れないです。3人だからというのもありますが、結構所々に使う有料バイパスの効果が高いんだと思います。めっちゃ楽しかったのでまた第二京阪が延伸したらやります。きっとA君とK君も来てくれるはずです、知らんけど。

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