【妄想ライオンズ その15】二人目のエース
柱は1本より2本の方が断然強くなる。 1ヶ月ぶりにマウンドに戻った11番は、3回の裏エラーや死球が混じって迎えた1死満塁のピンチを迎える。 「絶対に1点も与えない」 もう一度その言葉を今度は自分に投げかける。そして、用意していた新しいギアへシフトアップする
球速は150キロ代半ばを記録する。かつての同僚、今の敵の主砲を迎えても、怯むことなく、そしてカウントを重ねても臆することなく、自分の最高のボールを、文字通り投げ込んでいく。 高めの少し抜けたスライダーを3番が空振りする。11番が吠える。
援護は、文字通り最小点しかなかった。けれども、今日の彼には、その最小点で十分だった。 不甲斐ない、歯がゆいチーム状況に、自分の責任を感じないではいられなかった。 その思いを、その責任を、必ず今日ここで形にする。チームに、ファンに、最高の姿を見せる。
8回のマウンドに上がる。120球に迫る中でも球速は155キロを叩き出す。 1点も与えない。絶対に1点も与えない。 宣言を、まさに字でいく快投が、ライオンズのCSを限りなく現実のものとする。 さあ、次はCS。山本との再戦のストーリーを
2022年9月29日
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