【自由律俳句】緊張と歯間リゾットにパセリは要らない
忘却は逃避とは違うと言って
ヨッ!と伸ばして届く吊り革
目の中に光 サムギョプサルまでは400m
しわしわのローファー 片手には格安のマテ茶
サーモグラフィー真っ青で爆笑
UFOとアザラシのタイマーが新喜劇を鑑賞
天気の話した親子 2分後には昏睡
この感動は炭火の香りかタレの薫りか
今じゃないすっこんでろ思い出くん
鏡には無数の埃 無数というのは還って一つ
パーカーのことフーディって言ったら負けね
ホームに立つ自分を見る 豊悦にはなれない
気のせいを信じられた少年の敬虔さ
そこの銀杏は踏まれない
フリクスは遠足 雨上がりの緑の汁の匂い
コームが引いた線路は遅延もなく腐る
秋の工事現場では容易な三原色
チョコパイの季節だねにはピンと来なかった
黄色と言うのは簡単 黄緑も 山吹色はどう?
緊張と歯間 リゾットにパセリは要らない
午後七時の重すぎる眠気 幻想も見れない
庶民の比喩は切れづらいラップのよう
エクセルのセルの中 文字たちの意気込み
切りたての爪に対してのunfriendly
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