あめふらしのこおに
あめふらしのこおにのおしごとは
あめをふらせること
かわいただいちをうるおすあめ
おはなをそだてるあめ
わきみずをたくわえるあめ
あめふらしのこおには
あめをふらせることがだいすきでした
しかし ちがごろは
くつがぬれるだの
かみのけがをまとまらないだの
おせんたくものがかわかないだの
もんくしかきこえてきません
もんくはおおきくなってそらをうめつくします
こまったこおには
なんでもたべーるぬまにそうだんしました
なんでもたべーるぬまはわたしがたべてあげるといいました
そこで こおには
おおきなふくろをつくりました
そしてことばをあつめることにしました
なんでもたべーるぬまは
もんくのことばをのみこみます
きょうも
あめふらしのこおにがおおきなふくろをかかえて
かえってきました
『きょうもたくさんのもくんがそらいっぱいにひろがったんだな』
『かなしんでるだろうな』
でも ちかづいてくるあめふらしのこおにのかおは
うれしそうです
あめふらしのこおにはなっちゃんのはなしを
なんでもたべーるぬまにはなしました
なんでもたべーるぬまはなっちゃんのこえがききたくてはやくふくろをあけてといいました
あめふらしのこおにはそっとふくろをあけましまた
『わたし あめ だいすき』とびだしたことばに
なんでもたべーるぬまはおどろきました
もっとおどろいたのは
つぎからつぎとでてくることばが
『わたし あめ だいすき』にかわっていたのです
あめふらしのこおにもうれしくてたまりません
『ぼく あめふらしのこおにでよかった』
はじめてかんじるあたたかいきもちがふたりをつつみました
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