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宮沢賢治の「やまなし」|谷川の底の幻想的な風景

こんにちは、ジュウニカゲツです。

宮澤賢治の「やまなし」はご存知でしょうか?
大正12年に発表された短編童話です。

小学校の教科書に載っているので、「クラムボンは笑ったよ」というフレーズは知っている方も多いかと思います。

このお話の書き出しはこうです。

小さな谷川の底を写した2枚の青い幻燈です

「2枚の」とあるように、このお話は五月と十二月の二部構成になっています。

五月

二匹の子蟹の兄弟を中心にお話は進んでいきます。
子蟹の兄弟がクラムボンについて会話をしていきます。

『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『クラムボンは跳はねてわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』

そこに、子蟹の頭上を魚が通り過ぎていきます。

『クラムボンは死んだよ。』
『クラムボンは殺されたよ。』
『クラムボンは死んでしまったよ………。』
『殺されたよ。』
『それならなぜ殺された。』
『わからない』

その魚たちも、突然飛び込んできたカワセミによってどこかにいってしまします。

十二月

子蟹の兄弟も成長して、どちらの泡が大きいが競い合っています。
その時、天井から黒い大きなものが落ちてきて、子蟹たちは「カワセミだ!」と怖がりますが、お父さん蟹に「やまなし」だということを教えてもらいます。

『どうだ、やっぱりやまなしだよ、よく熟している、いい匂いだろう。』
『おいしそうだね、お父さん』
『待て待て、もう二日ばかり待つとね、こいつは下へ沈しずんで来る、それからひとりでにおいしいお酒ができるから、さあ、もう帰って寝ねよう、おいで』

谷川の日常を幻想的に表現

この「やまなし」では、色彩や光が鮮やかに表現されています。

・日光の黄金きんは夢のように光の中に降ってきました。
・上の方や横の方は、青くくらく鋼はがねのように見えます。
・ラムネの瓶びんの月光がいっぱいに透すきとおり

これに、やまなしの芳醇な香りも加わり、五感で楽しめるお話になっています。

小学生の頃には理解できなかった部分も、大人なってから読むと新しい発見もあり、新鮮な気持ちで読むことができます。今回久しぶりに「やまなし」を読んで、宮澤賢治の童話は大人にこそ読んでほしい物語だなと思いました。

商品のご紹介

ジュウニカゲツのOnline shop にも「やまなし」の商品があります。

雑貨デザイナーのShinzi Katoh(シンジ カトウ)さんが的に描いた「宮沢賢治幻燈館」シリーズです。

特に、きらぴかマスキングテープは、シルバーやゴールドの箔押しで、賢治の描いた光の表現をしていて、絵本を見ているようです。

宮澤賢治のその他の作品の商品もございますので、ぜひOnline shop でご覧ください。

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