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有料ライブ配信、今度は演劇 vol.1


前回は音楽のライブ配信について書きましたが、
最近、演劇のライブ配信を同日に2本観る機会がありました。

配信として、それぞれ対照的なアプローチで、
とても興味深かったので、これについて書きたいと思います。


まずは、そのうちの1本がこちら。
(もう1本は、また次に)
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CUBE produce
PRE AFTER CORONA SHOW presents

リーディングアクト
「プラン変更
 ~名探偵アラータ探偵、最後から7、8番目の冒険~」

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:古田新太、大倉孝二、入江雅人、
   八十田勇一、犬山イヌコ、山西惇、奥菜恵
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もともと、本多劇場で予定されていた別の芝居が、
新型コロナウィルスの影響で中止になり、
その楽日だったはずの日に、急きょ開催されました。

そのためか、台本片手のリーディングアクトという構成。
内容は、しょうもなくて(褒めてます)たまに風刺が効いている、
ちょっとモンティパイソンみたいなコメディ。

ケラ氏の作品で言ったら、例えば昔の「時効警察」での、
一見は、どうでもいい(褒めてます)やり取りの応酬。
あの、ハマったら抜け出せない、ビョーンとしたナゾな空気感。
それに通じるコメディ、と言ったらいいでしょうか。
(余計分かりにくいか…)


本来、テンポや間が重要なコント的なやり取りでは、
役者さんの、ちょっとした動きや表情や絡みで、
香ばしさが増すと思うのですが、
今回はアクリル板で仕切られ、距離を保たなければならず…

また、台本を読みながらという状態も、
コメディに必須な、絶妙な間を活かしにくい。
観ていても、内容に没頭しにくく、現実に引き戻されがち…

すごい役者さんが揃っていただけに、
距離がつらい!準備不足が惜しい!コロナ憎い!

でもコロナ禍でなければ、そもそもなかった企画…
そういう意味では、アドリブ的な出たとこ勝負感が、
逆に清々しいともいえますかね。
(実際、アドリブも結構あったのかも)

それにしても、演劇のアドリブって、
役者さんの素を垣間見て、
思いがけないポロリに得した感がありつつ、その真逆の、
妙に気恥ずかしい瞬間でもあったりします。

そして、そういうムズ痒さは、
非日常空間の中、という前提があってナンボなのかなぁと。

実際、この配信鑑賞中に、アドリブでの素の瞬間に遭遇した時、
自宅という生活感の真っ只中では、
気恥ずかしさからの、現実に引き戻される速度は、一瞬でした…。

せっかく代金払って、観劇を楽しむ気満々で観始めたなら、
次回からはそういう微妙な気分になりたくないな〜

そんなわけで、
演劇のライブ配信を鑑賞する際は、
非日常感をMAXにして観た方がいい、
(まずは部屋を暗くするとかね)
という、意見に達しました。


※この直後に配信された映画、
「PRE AFTER CORONA SHOW The Movie」は、
上記の点はクリアされていたので、楽しく観ました。

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