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今日会いに行きたい!気になる土偶#063山梨県立考古博物館

お出かけ日和の先週末、
山梨県立考古博物館で開催中の
「発掘された日本列島2023」展へ行ってきました。

今回で29回目のこの展覧会は、
縄文~江戸時代の10遺跡の最新状況と、3カ所の継続的調査の成果が紹介され、全国の遺跡の「今」を知ることのできる機会となっています。

その中には発掘から日の浅い土偶たちの姿も見られます。
今日はこの展覧会で初お目見えした「ニューフェイス」3体のご紹介です。

3体の土偶のいずれもが、
宮城県の「仙台湾の貝塚」から発見されました。
全国屈指の「貝塚密集地域」で知られる太平洋に面した仙台湾周辺は、縄文時代前期~弥生時代という長きにわたって数多くの貝塚が形成されました。

トップバッターのこの土偶は何とも個性的!
手の平程の大きさの「顔」は土偶ではなく、土器の上部に付いていた「顔面把手がんめんとっての可能性もあるそうです。

大きな目や口、細長い顔と比べて、
随分とアンバランスな太い首。
ひょっとすると仮面を付けているのでしょうか?
首にある無数の文様も気になるところです。

次の土偶は…
写実的に表された人の姿のようです。
下顎の歯?のような表現は珍しく、
顔全体の表情からも「神」や「精霊」といった
神聖な土偶のイメージからはかけ離れているように思えます。

腕の形や胸辺りの文様は、
ちょっと遮光器土偶に似ているようです。

そしてこちらの土偶は、
「どこかでお会いしませんでしたか?」と思うほど、岩手県などの東北地方で良く見かける顔です。

こう見えても「遮光器土偶」の末裔と思われる土偶で、巨大な遮光器の様な眼は小さくなり、王冠のような頭の装飾は左右2つの角のように変化しているようです。

人形ひとがた」つながりというこで、
気になる埴輪もご覧いただきましょう。

写真の人物形埴輪と動物形埴輪は、
「使われなかった埴輪」の可能性があるといいます。

群馬県の古墳(円墳)の周溝から埴輪23点と須恵器2点が集積された状態で見つかりました。
そしてこの古墳の上には、集積された埴輪より小さい埴輪が並べられていました。

古墳時代後期/ 馬の高さは86㎝

普通「埴輪」は古墳の上にずらりと並べられているものです。
この古墳には小さめの埴輪が並んでいたということは、この大きい埴輪はここでは必要なかった、ということのようです。

近くで予定された古墳が作られなかった、または、この埴輪自体が必要なくなった、などの理由で「使われなくなり放置された」とも考えられるそうです。

埼玉の「子持勾玉」は大きいもので11.8㎝
可愛い動物のようにも見えてくる!

発掘から日が浅い遺物の数々は、まだまだ分からないことが多いせいか情報も少なめ、それだけにあれこれと想像が膨らんでいきます。
今後の調査や研究によって新たな事実が見つかることもあり、「発掘されたばかり」の遺物ならではの楽しみもあります。

山梨県立考古博物館(~10/29)の後は、長崎県対馬博物館 (11/11~翌年1/8)で開催されます。
対馬…行ったことない場所、どんな歴史があってどんな人々の暮らしがあるのかしら?
まだ知らぬ景色にも興味が繋がっていきます!

今回もお読みくださり有難うございました☆彡

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