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今日会いに行きたい!気になる土偶#059諏訪市博物館

先日訪れた長野県諏訪市。
記事で取り上げた3体の土偶以外に
実はかなり・・・気になる「顔」がありました。

今から約5000年前の縄文時代中期の縄文土器、
その上部についていた顔面把手がんめんとってと言われる「顔」です。

なんとも言い難い、印象的な顔つき。
目力というか、
じっと見つめられると、
内面を見透かされているような。
ウソをついていないか、悪い心をもっていないか?

ふてぶてしさも感じられるような、
妙に落ち着きのある「顔」。

人、動物、それとも…?

「顔」のすぐ下からが土器の一部であると思われ、
その土器の外側を向いてこの「顔」がついているようです。

一般的には、このような「顔」のほとんどは、土器の中を見守るかのように内側を向いて付けられています。
土器本体を「妊娠した女性の身体」「食料を蓄える貯蔵壺」などにみたてて、「生命の誕生や子どもの成長、豊穣を祈った」としていたとされています。

では、なぜ外を向いているの?

この「顔」は諏訪の在野の収集家が集めたもの。
まだ今ほど考古学が注目を浴びていない昭和の初期から、私財を投げ打ちコツコツと集められた何千点という遺物の一つ。

こちらの石の矢じりの標本も、
プロ顔負けの数と質、そして遊び心も!
仕事の傍ら、なにもかもが手探りの発掘や収集の成果。

各地の資料館などでは、
こうした在野の収集家の活躍が目覚ましく、
その地域の貴重なコレクションとなっています。

しかしながらそれらの一つ一つが、
その後に専門家によって詳しく調査されることは多いとはいえないようです。
この顔面把手のように何であるかの表記もなく、
私はだれ?状態の遺物も多く見かけます。

この「顔」の出土の場所は「国宝 縄文のビーナス」と同じ地域で、その出土時期や状況によっては丁寧に調査された可能性もあったかもしれません。

何の「顔」であるのか?
土器の全体像や外を向いている理由なども推測され、カワイイらしい愛称がついて、博物館のマスコットになっていた!なんてことにも。

とはいえ、これを作った縄文人からしたら、
勝手に呼び名をつけられるのも、
勝手に「こうであった」と考えられるのも、
大きなお世話よ!と思うかもしれません。

だってこの「顔」には、
縄文人たちが共通認識している物語が表されているから。

そんな説明がなくても、
縄文人たちはこの「顔」が意味することを知っているのです。

この「顔」が意味するものは?
こちらの記事がその手がかりになるかと。

年々増える、発掘される遺物たち、
もちろんそれらをすべて調査するのは無理なこと。
でも、それはそれで結構イイかも!とも思っています。

名もない遺物を、様々な資料から
ああでもない、こうでもない、と思い巡らす
その魅力も大いにあるのですから。

できれば、多くの皆さんと、
ああでもない、こうでもない、と、
そんな時間を持つことができたら!と、
そんな目標を密かにかかげ、
今日もこの記事を書いています。

今回もお読みくださり有難うございます☆彡

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