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今日会いに行きたい!気になる土偶#081東京国立博物館

あれから13年。
今年も日本各地でたくさんの祈りが捧げられています。

祈ることしかできない…そんなもどかしさを感じながらも、多くの人がそれぞれの想いを抱えながら、今日の日を迎えていることでしょう。

日本列島の人の軌跡を辿ると、そこには必ず「祈り」がありました。
この縄文時代の『筒形つつがた土偶』も、静かに祈りを捧げているようです。

今から約4000年前 縄文時代後期

1万年以上も続いた縄文時代ですが、「土偶」が多く作られたのは今から約5000 年前の縄文時代中期。その後、全国的に土偶はあまり作られなくなりました。

約数百年以上の時を経て、再び各地で土偶が作られるようになりますが、そんな中で関東~中部の一部だけで作られたのがこの『筒形つつがた土偶』です。

特に神奈川県域で多く作られのが、筒状の胴部に平たい顔が貼り付けられたもので、従来の人間らしい土偶とは一線を隔す造形です。

高さ:20.4㎝

緩やかな曲線の文様と主張のない形状は、
縄文人の心を静め、祈ることへと導いてくれているかのようです。

多くは語らない、
まるで仏様のように、静かにそこに佇むだけ。
どこから見ても、尊さを感じるお顔です。

展示場所:東京国立博物館

この頃には富士山が頻繁に噴火し、この土偶が作られた神奈川県域に大きな影響を及ぼしたと考えられています。

より尊さを感じられる造形は、
天災による人々の心の変化の表れであるのかもしれません。

そっと手を合わせたくなる…土偶です。


参考図書
はじめての土偶 武藤康弘 監修 世界文化社

最後までお読みくださり有難うございました。


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