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今日会いに行きたい!気になる土偶#043飛ノ台史跡公園博物館

「エビゾーくん」と「とってちゃん」
陽気で楽し気なネーミングに、おちゃめなキャラクター。
モデルとなっているのは、
千葉県船橋市から出土した約4,800年前の人面把手じんめんとってです。

左が「エビゾーくん」そして右が「とってちゃん」。
海老ヶ作えびがさく貝塚から出土した人面把手じんめんとって顔面把手がんめんとってとも言われます)から命名されました。
船橋市の飛ノ台とびのだい史跡公園博物館の人気者です。

人面把手じんめんとって顔面把手がんめんとって)とは、
縄文土器のふちに付いた〝顔〟のことです。
この人面把手じんめんとってが付いている土器を人面把手付じんめんとってつき土器といい、中部高地(長野・山梨県)や関東東部(群馬県など)で多くみられます。

こちらは、ほぼ同時期のものと思われる長野県の人面把手付じんめんとってつき土器です。
「エビゾーくん」と「とってちゃん」も、こんな風に縄文土器の上にちょこんと乗っていたと思われます。

長野県茅野市 尖石縄文考古館
梨ノ木遺跡出土

土偶と土器が一緒になったような不思議な土器。
もともとは人形ひとがたであった土偶が変化して、土器にくっついたと考えられています。

土偶の変化形と言ってもよいようです。
土偶が盛んに作られたとされる縄文時代中期頃から出現し始めました。

これらの土器は煮炊きをする実用品ではなく、土偶と同じように祈りの道具として使われていたようです。

さて、改めて「エビゾーくん」をじっくり見てみると…、
ずいぶんと眉毛がくっきりしているように見えますね。
これは眉毛ではなく「縄文人の彫りの深い顔」を表しているとか⁉

「とってちゃん」は、
顔はハート形、切れ長の吊り目と、中部高地(山梨・長野県)の土偶の特徴を持っています。上記の尖石とがりいし縄文考古館の人面把手じんめんとってと似ていますね。
ひょっとすると長い旅をしてきたのかしら?

博物館でとにかく大活躍の2人組!

僅か数㎝の「エビゾーくん」と「とってちゃん」ですが、博物館の「顔」として今日も大忙しです。

*参考図書
日本の土偶 江坂輝弥 講談社
縄文土偶ガイドブック 三上徹也 新泉社

最後までお読みくださり有難うございました☆彡

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