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『守備戦術』を意識したらサッカー観戦が2倍面白くなった

僕はサッカー未経験者です。なのでサッカー観戦をするとき、ゴールシーンはもちろんだけどトラップを観るだけでとても感動します。自分自身がサッカー下手だから何気ない一つ一つのプレーが、どれだけすごいことをやってるかが分かって、それを観るだけでも面白い。
でも、サッカーを観るときにボールだけを追っていた自分が、守備戦術を少し意識しただけでサッカーという競技の奥深さを目の当たりにしていつもの観戦が2倍楽しくなりました。
この記事では僕が意識して観るようになったサッカー観戦のポイントについて書いていこうと思います。

・試合では贔屓チームの動きだけを観る

まずボールばかりを追っていた自分が試してみたのが贔屓チームだけの動きを観ること。守備の時は相手のボール保持者を観ていたけど贔屓チームの動きだけに注視したら、色んなことに気づきました。フォーメーションが同じでもチームによって選手の距離感やボール保持者へのプレッシャーの仕方が違うし、同じチームの試合を観ていても相手によって作戦を変えているのが何となく分かる。また前半と後半で作戦を変えて狙われていたスペースをケアしたりと選手達が何を意図して動いているのかも見え始めたりしてくる。

この贔屓チームだけの動きを観るときは、自分が感じたこととそのチームが実際にやろうとしていることが当たってなくてもいい。自分なりの仮説を持って観戦してみることが大事。
例えば、相手の左サイドにめっちゃ良い選手がいたとする。なるべくその選手にボールを集めさせたくないので、右サイドにボールが集まるようにプレッシャーやマークをしてるのかなーって、考えるだけで良い。それだけでいつもより観戦が面白くなった。

・守→攻の切り替え

贔屓チームの動きだけを観ていたら守備から攻撃に切り替わる瞬間も楽しみの一つになった。
守備は点を取られないためにすると思っていたけど、逆に点を取りに行くための下準備と考えたもあると思った。例えばクロップ監督時代のドルトムントが1番分かりやすい。ハイプレスから高い位置でボールを奪ってショートカウンター。これは守るというより攻撃のための守備って感じがする。極端な例だけどハイプレスだけが攻撃のための守備じゃないっていうのが守備から攻撃に切り替わったときに選手たちがどう動くかを観ることによって何となく分かる気がする。(現代サッカーだとサイドバックの選手が1番分かりやすいかも)

・攻→守の切り替え

贔屓チームが攻撃している時もボール保持者だけでなくセンターバックやボランチの選手の動きを観ていると気づきがある。守備の時は攻撃に切り替わった時のことを考えているが、攻撃の時はリスク管理として守備に回った時のことを考えているのが何となく分かる。自分はサッカー未経験なので攻撃の時のセンターバックのセオリーみたいなのが分からないが、それを想像しながら観るのも面白い。特に面白いのが相手の陣地にかなり押し込んでアタッキングサードで攻撃を仕掛けるシーン。ここはサッカーの醍醐味でゴールシーンに直結するのでボール保持者を見続けたくなるが、その時でもセンターバックやボランチの動きを観てみる。(カメラワークによっては映ってない時も結構あるけど)
すると、カウンターを警戒して後ろのスペースを気にしてるのかなとか、相手のワントップの選手をマークしている動きに気付いたりする。

ゴールシーンのダイジェストだけでは、そのシーンを作り出すために行われてきた駆け引きが分からない。ボールを持っていないところでも常に駆け引きが行われていることを理解できたら、サッカーは90分通して観るのが面白いと感じるようになった。

・「守備戦術」について意識すると

将棋では初心者が強くなるために、まずは攻撃の仕方を覚えたほうがいいと言われている。将棋は王の囲い方に型があって、その陣形を整えるのが初心者のうちは楽しかったりする。でも型にはめただけでも守り方を理解できてないとあまり意味がない。その守り方を理解するためにも、まずは攻撃の仕方から学ぶ。そうするとどういう風に相手が崩そうとしてきているのか察知できるようになってくるので、2手3手先のことを考えながら守備ができるようになる。そうすると型を作った後も、きちんと守れるようになる。これが将棋が強くなるために、まずは攻撃の仕方を覚えたほうがいいというロジックだ。

この考え方の応用で、サッカー観戦時に贔屓チームだけを観て守備戦術を意識していると、攻撃の戦術も何となく分かるようになってきた。
相手陣地のスペースを広げたいからサイドにボールを振ってるのかとか、ワンボランチの間にあるスペースを使いたいんだなとか、選手たちが何を考えながらプレイしているのかが想像できる。
ここまで考えながらサッカーを観戦するとボールばっか追いかける時より、もっと面白く観戦ができるようになる。

ただ、一つ注意点は大勢でサッカーを見ているシチュエーションでは戦術云々とか語り出さないほうがいい。サッカー経験者だとしてもプロとしてやっている監督の意図なんか分かるはずもないので、サッカー通を醸し出してイキっている人と見られるのがオチである。(その監督と知り合いで試合前に話を聞いたよ、くらいのレベルだったら大丈夫だが)
なので、贔屓チームだけを観て戦術について考えるのは、一人で観戦している時の自己満足に留めておこう。サッカー観戦の楽しみ方は人それぞれなのだから。

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