見出し画像

副業行政書士開業マニュアル

行政書士は食べにくいと言われますが、副業として考えた場合は非常に有望だと考えています。月に5万、10万稼ぐ程度であれば、やり方さえ間違っていなければそれほど大変ではありません。
以下に説明していきます。

これだけの文章量ですので、これから専業で開業される方、資格取得を目指しておられる方の参考にも必ずなると、自負しています。
各業務の状況や実際の報酬単価なども記載しています。

現在開業して間もなく、試行錯誤されている方にとっても、きっとお役に立てるでしょう。


はじめに

・今の時代、いきなり独立はリスクが高い
 
起業・副業が花盛りです。政府は働き方改革を掲げ、サラリーマンの副業も推進しています。大手企業などでも、就業規則で副業を認める会社が出てきました。

就業規則では禁止されていても、何らかの副業や投資を行っている人も多いと聞きます。
所得が右肩上がりに増える時代は終わり、終身雇用も崩壊するかもしれません。自身の力で稼ぐ時代が到来しています。

ですが、やはりいきなり独立するのはリスクが高いでしょう。

特に安定したサラリーマンの地位を捨てて起業するには、勇気が必要です。家族の理解も、得なければなりません。

また、副業といっても、何から始めればよりかわかりません。手軽にできるネットビジネスにしても、競争が激化しています。代表格であるアフィリエイトで月に1万以上の収入がある人は、ほんの数パーセントである旨のデータも、あります。

株式やFX、不動産投資も、NISAなどの関係もあり多くの方が手掛けています。しかし、私も少し齧ったことがありますが、とても素人が勝てる分野とは思えませんでした。海千山千のプロがひしめき合い、プロでもなかなか勝てない業界で利益を得るのは、大変難しいでしょう。

そこで、行政書士での副業です。
行政書士を含めた士業の分野も、競争が激しくなっています。メディア等で食えなくなった弁護士がよく取り上げられています。

ですが、まだまだアフィリエイト等のネットビジネスや株式や不動産投資などに比べて、士業は守られており、やりようはあります。ちなみに、私は業歴10年を越えて士業ネットワークも多く持っていますが食えない弁護士さんに会ったことなどありません。税理士、社労士もしかりです。きっちり営業活動している士業なら、食べられています。

まして副業であれば、何とでもなります。
 
・多くの独立開業本は、羽振りのいいことを書いているが・・・
 
ただし、行政書士で稼ぐのは、決して楽ではありません。
食えない資格の1番手に挙げられるのが、行政書士資格です。
行政書士の平均年収は300万、600万、10人に1人は1000万を超えているなど、さまざまな噂が流れるのも、行政書士の資格です。

行政書士の開業本でも、「行政書士で1億円」「行政書士開業1年で1000万」など、羽振りのいい文言が並んでいます。
ですが、それほど甘い業界ではありません。
 
・行政書士開業3年以内で、多くが廃業している現実
 
行政書士の廃業率は、士業の中ではトップクラスに高いと思います。
おそらく、開業から3年以内で、3割~5割程度は廃業するのではないでしょうか。詳細な統計はないと思いますが、行政書士会に所属している者の感覚として、それほど的外れではないと思います。
これだけ聞けば、「専業でも生き残るのが難しいのだから、副業ではとても無理」と思うかもしれません。

しかし、廃業者の中身を分析してみますと、そんなことはありません。

まず、行政書士開業者の中には、長年公務員をされて定年後に開業された方や、民間企業で定年したので、持っていた行政書士資格を活かして独立した方などが多くいます。
その方々たちは年金で食べられているので、行政書士業務にそれほど真面目に取り組みません。そのため、ほとんど営業活動をしないため、仕事も取れません。自然と、会費を支払い続けるのが嫌になり、廃業します。

また、そもそも独立開業を甘く考えて、安易に独立した方もいます。彼らもまた、日々の営業活動などの努力をしないため、食べられません。

行政書士になったのが、「他人と関わるのが嫌だったから」「先生業なら座っていても注文が来る」などと、勘違いしている方は、やっていけません。

正直、行政書士で何が何でも食っていく、生き抜いてやると考えて日々の努力をしている先生方は、専業で事務所運営を軌道に乗せています。
簡単ではありませんが、専業で食べていける可能性は十分にある資格です。

その点はご安心いただき、副業ならば、なおさらチャンスがあります。その辺は、当マニュアルの本文で述べていきます。
 
・一通りの行政書士業務を経験したから書ける副業マニュアル
 
よくある副業行政書士の書籍やマニュアルは、副業で行政書士をされた先生が、主としてご自身の業務や事務所運営方法のみについて書いているように思います。

それはそれで参考になる部分はあると思います。ですが、当マニュアル作成者は、行政書士を二度開業し、一度目の開業では約1年間はサラリーマンとの副業で事務所運営していました。いろいろあって、現在は専業行政書士です。

行政書士業務においては、許認可業務と民事法務分野を一通り経験しています。
経験した知識から、現在自分自身が副業として開業するならどのようにしたらいいか、どのようなやり方があるかを、記載しています。

これから副業で開業される方にとっては、非常に役立つ知識を提供できると自負していますし、開業前に事務所運営のイメージが抱けると思います。
是非、当マニュアルをご活用いただき、副業行政書士として、自分なりの成功を掴んでください。
 
・サラリーマンの副業や、主婦のパート程度を稼ぐのは、難しくない
 
前述のように、決して行政書士の開業は甘くはありません。
しかし、経営者として当たり前の努力ができる人にとっては、甘い業界かもしれません。

例えば、士業は全般的に営業が苦手な先生が多いです。稀に営業マン出身の方が行政書士で開業すると、面白いように仕事を取っています。そういう方に話を聞くと、一般的な業界と比較すれば士業なんて甘いそうです。営業力のない先生が多いため、多少の営業力のある先生であれば、すぐに事務所経営が軌道に乗ります。

どの程度の収益を望むかにもよりますが、副業程度に稼ぐのであれば、それほど難しくありません。

主婦のパートが時給1,000円で一日に7時間として、7,000円。週に4日の勤務とすれば、月額112,000円になります。

行政書士業務であれば、例えば建設業許可の新規が10~15万の報酬ですから、1件取れば一月分の働きと同じ収入が得られます。業務に慣れれば、実働は7~8時間といったところです。高単価業務であれば、1件で数十万もあり得ます。

どうでしょう。副業行政書士に夢が持てませんか?
実際に主婦だった方が行政書士を開業して、儲かっている事例も記載しています。

是非参考にして、一歩を踏み出してください。
 
・副業で行政書士を選ぶ最大のメリットとは
 
これは副業でのメリットというよりは、士業の最大のメリットとも言えます。
まず、資格を取得して開業すれば、行政書士としての報酬を請求できます。

当たり前だと思うかもしれません。どういうことかと言えば、開業初日に依頼があっても、ベテランの先生と同程度の報酬が請求できます。業務知識や習熟度は関係ありません。

昨日までフリーターや無職だった人でも、例えば開発許可を受任すれば100万以上の報酬請求も可能だという意味です。

私の経験で話しますと、初めて土地手続を受任した際に、業務知識及び経験ゼロにもかかわらず、150万以上の報酬を請求しました。それでも、依頼主は行政書士という資格への信頼のみで、ぽんと入金してくれました。

一般の何も肩書のない方が150万以上の報酬を請求できるでしょうか?まず、あり得ません。

これが資格業の凄さです。先人たちが築き上げてきてくれた、財産です。

しかも、行政書士には法で定められた独占業務があります。資格がない者は参入して来られませんので、資本力のある大手企業などと競争する必要がありません。
他の副業などでは、競合も多く、報酬単価もそれほど高いとは聞きません。

上記のメリットを考えれば、行政書士での副業は本当にお勧めです。

ここから先は

32,570字

¥ 7,980

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?