見出し画像

コミュニケーションで大事なこと(6)

 前回に引き続き・・・私の中に沁みついている会話(コミュニケーション)の原理(私見)をお話ししたいと思います。

 「話をきく」の「きく」の漢字には・・・「聞く」「訊く」「聴く」の3種類あります。
 今回は・・・「聞く」「訊く」「聴く」の違いを切り口に、「話を聴く」の本質を深堀りしていきたいと思います。

本シリーズのブログはこちら・・・
  コミュニケーションで大事なこと(1)
  「
コミュニケーションで大事なこと(2)
  コミュニケーションで大事なこと(3)
  コミュニケーションで大事なこと(4)
  コミュニケーションで大事なこと(5)

「聞く」?「訊く」?「聴く」?

 3つの「きく」の意味を調べると・・・

  「聞く」=何となく・・・自然に耳に入ってくる(hearing)
  「訊く」=尋ねる、質問をする(question)
  「聴く」=積極的に耳を傾ける(listening)

 ・・・という感じでした。

 この3つの中で、とにかく分からないことを矢継ぎ早に相手に質問しまくるのが「訊く」というイメージなので・・・明らかに他の2つ「きく」とは違うイメージがあります。(例:患者が医者に「私の病気は、どうでしょうか?」と訊く・尋ねる・・・等)
 「訊く」の本質については、これにてミッションコンプリート!ですね。

 でも「聞く」「聴く」の違いは、今一つ分かり難い。
 ということで・・・ここからは、この2つの「きく」の違いを考えてみたいと思います。

「聞く」・「聴く」一緒やん!

 「聞く」「聴く」の違いを深堀してみると・・・

 「聞く」を使った複合語には・・・「聞き耳を立てる」や「聞き惚れる」などが見つかりました。

 でも・・・これらの言葉って「聞く」の説明にあった「自然に耳に入って来る」というイメージではなく・・・「積極的(能動的)に聞いている」イメージの方がふさわしいと思います。

 また一方「聴く」は、例えば・・・楽器の演奏が自然と耳に入ってきたとしても「(音楽が)聴こえて来た」と書きますね。(その音楽の世界に引き込まれた・・・という感じかな?)
 こっちの方は「積極的に耳を傾ける」というより「自然に耳に入ってくる」の方がふさわしいように感じます。

 となると・・・「聞く」も「聴く」も実は同じじゃないの?って思ってしまいます。
 2つの「きく」の違いを「自然に(受動的に)」/「積極的に(能動的に)」では区別することができないとすると・・・結局何が違うの??ってなりますよね。

「聞く」・「聴く」違いは、愛?

 「心に愛がなければ、どんなに美しい言葉も 相手の胸には響かない。聖パウロの言葉より

 中学生の時、私は熱心な深夜ラジオ放送のリスナーでした。日替わりで各DJ(当時は「パーソナリティ」と呼んでいたかも)が放送するラジオを眠い目をこすりながら聴くのがホント楽しみでした。

 そんな中、突然流れ出すキリスト教会提供の10分番組・・・
 牧師さんがキリスト教の教えを説くありがた~いこの番組の冒頭に新約聖書の、この一節が流れます。
 ラジオから(この番組の開始を告げる)ベートーベンの「田園」をBGMが流れ出すと・・・睡魔と闘う中学生の私は突然睡魔に負けて、毎晩決まって寝落ちしてました。(笑)

 そうだ!
 「聞く」・「聴く」の違いは「愛」だ!(笑)
 
 聖人パウロが説いた「心の愛」とは、「キリスト教を信仰する心(気持ち・スタンス・立ち位置)」のことだろうと、容易に想像できますよね。
 つまり・・・聖人パウロは「(『話を聴く』側・言葉を受け取る側に)同じキリスト教を信仰する心がないと、相手が発する言葉の中にある『本当の気持ち(真意)』は伝わらない」と説いたのだと思います。

 残念ながら・・・私はキリスト教徒ではないので、キリストを信心する心はありません。
 でも・・・聖人パウロの言葉の仕組み(法則)には、共感できることがあります。
 それは・・・「話をきく」側のスタンス(立ち位置)によって、「聞く」と「聴く」2つの違いが生じのでは?ということです。

「聞く」・「聴く」の違い

 私は、「話をする側」と「話をきく側」の立ち位置が同じならば「聴く」、違っていたら(対峙していたら)「聞く」だと、何となく・・・ぼんやりと・・・イメージしています。

 「聞く」 = 相手の立場に対峙して(自分の立場で)聞く
 「聴く」 = 相手(と一緒)の立場で相手に共感して聴く

 でも今回のブログを書くにあたって、この法則を言語化しようとまとめてみると、何となく違和を感じる・・・というか煮詰め不足を痛感しました。

 私の「聴く」の解釈では、「矛盾」が生じるケースを上手く説明できないかも?と思ったからです。

私が感じた矛盾

 あえて「矛盾」と書きました。その矛盾とは・・・

 「聴く」という行為に「相手に共感」つまり「相手と一心同体化する」という前提が必要だとすると・・・
 仮に「話を聴く」相手が、理不尽で理解不能または不本意な発信をしたとしても・・・それを無条件で受け入れて「共感」しなければならないということになるなあ・・・でも、それは違うなあ。

 ・・・という感じです。

でも実は・・・

 私の中では、その答えがあります。(曖昧模糊としているけど何となく腑に落ちているという感じ)

 でも、それを具体的に言語化しようとしても・・・私自身のボキャブラリーや思考の浅さが災いして・・・上手く表現できません。
 そんな中、思いついた言葉(というよりイメージ)は・・・

 「相手の話に『共感する』けど、『共感する』ベクトルは違う、相手の言葉を鵜呑みにする訳ではない」

 ・・・という訳の分からん、実に消化不良な言葉しか出てきませんでした。

「ひのなおみ」さんのVOICY

 そんな中・・・日経の編集者だった「ひのなおみ」さんが音声プラットフォームのVOICYに話されている内容に出会いました!
 とてもしっくりきました!「これやな!」と思いました!!

編集者ひのなおみの軽井沢ノート

#056 聞く技術👂を高めるために鉄人が実践しているたった一つのコツ

#097 取材歴20年で学んだ、どんなにエグい質問でも相手が怒るどころか心を打ち明けてくれるスキルとは?

 この放送では、ひのなおみさんが編集者として・・・というよりは取材記者として、インタビューをする時のスキルやスタンス・アチチュード(attitude:態度、心構え、姿勢)を話されています。

 次回は、ひのなおみさんの放送内容を基に・・・私なりに深掘りしてお話できたらと思います。  (つづく


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?