アジカンに遅れること3年、気付いたら俺はナンバーガールシンドロームだった

ナンバーガールというバンドをご存知でしょうか。福岡県で結成された、90年代後半〜00年代前半を代表するバンドです。というか、この日記を読みにくる物好きなあなたは、きっとナンバーガールの事をご存知でありましょう。ナンバーガールは僕が15歳の頃(2002年)に解散してしまったバンドです。

所謂「98、99年世代」と言われるミュージシャンの一組で、くるり、中村一義、スーパーカー、ナンバーガールがこの世代の四天王と言えましょう。

でも実は僕はこの4組が揃って活躍していた時期、ナンバーガールへの熱が最も低かったのです。中村一義とスーパーカーはファーストアルバムから聴いていて、くるりも虹やワンダーフォーゲルが大好きで繰り返し聴いていた。

ナンバーガールは初め、なんか怖かった。確かテレビ番組(Factoryだったかな?フジテレビの深夜にやっていたロック系のスタジオライブ番組)で初めてナンバーガールを観たんだけど、恐怖を覚えた。

メガネをかけたおじさん(と言っても、向井秀徳さんは1973年生まれなので、ナンバーガール解散時も29歳である)がシャウトする姿、小柄な女性が轟音のギターをかき鳴らす姿、長身の男性が動き回りベースを弾く姿、童顔の男性がキース・ムーン(当時まだキース・ムーン知らんかったけど)のようにドラムを連打する姿を見て


「なんだこいつ〜!!!!」

(by ジョイマン池谷)

となってしまった。おそらく「鉄風鋭くなって」が出たあたりだと思う。それまで聴いたことのない未知の音楽に恐怖すら覚えた。今考えると、初期のスーパーカーとナンバーガールはどちらもピクシーズなどのオルタナティブロックからの影響を公言していたのに、ここまで音楽性が違うというのは何か面白いと思う🤔 というかスーパーカー、中村一義、ナンバーガールは同列で語られるけどそんなに音楽性は被るところがないよね(たぶん) 中村一義は思い切りビートルズからの影響を感じるし‥それぞれと音楽生が被るところがかったのは、くるり くらいだと思う。

それから1年くらいかな、NUM-AMI-DABUTZという奇妙なタイトルのシングルが出ました。

それまで全く耳にしたことのない妙な演奏(今考えるとポストパンクだ😆)、お経みたいなラップ、妙なPVも相まって、ちょっとナンバーガールが好きになった。でも結局ハマりきらなかったというか‥このシングルが出た年(2002年)にナンバーガールは解散しました。

ミッシェル、スーパーカーと立て続けに好きだった日本のバンドが解散し、またストロークス、リバティーンズ(スーパーカーより先に解散したけど‥)、フランツフェルディナンドなどの魅力的なロックバンドがアメリカ・イギリスから出てきたり、ビートルズをキッカケに60年代ロックにハマったこともあって、高校時代は殆ど洋楽を聴いていました。

さてそんな僕がナンバーガールにハマるキッカケは、2006年に訪れます。

Base Ball Bearというバンドがキッカケです。僕より少し年齢が上の兄ちゃん姉ちゃん達がやっているバンドです。爽やかギターポップの中にオルタナティブな要素もあり、また同年代がやっていることもあり、すぐにハマる。そのBase Ball Bearのオルタナティブの部分に大きな影響を与えていたのがナンバーガールだった。Base Ball Bearは「ナンバーガール+スーパーカー」なんて当時は言われていて、「もう一度ナンバーガール聴いてみようかな」となるには十分なくらい再びナンバーガールへの興味が高まっていた。

そしてこの曲を数年振りに聴くことにした。


僕「最高&ガーファンクルじゃん」


疾走感のあるギター、直線的なベース、タイトで手数の多いドラム。全てがドンピシャリ。勢いに乗って、高校時代に少し好きレベルで止まっていたNUM-AMI-DABUTZを改めて聴いてみる。これまたドハマりしてしまった。気付いたら、俺はナンバーガールが大好きになっていたのだ!!

Base Ball Bear以外にもナンバーガールの影響を公言する人達がたくさん出てきた。星野源やアジアンカンフージェネレーションなんかもそう。同時にナンバーガールにリアルタイムでハマるチャンスがあったのに、それをみすみす逃した己を攻めたりもした。その影響で、ご飯も朝昼晩3食しか喉を通らず、夜しか眠れない、大学のレポートもちゃんと提出してしまう、そんな荒んだ生活を送ったものである。

アジカンにこんな曲がある。


まんまナンバーガールみたいな曲。タイトルの意味も「ナンバーガールシンドローム」である。2003年の曲である。ナンバーガールの解散の翌年に発表された曲である。ちなみに僕がこの曲を初めて聴いたのは2008年くらいです。


アジカンのメンバーは僕より3年も‥いやもっと前からか‥ナンバーガールシンドロームになっていたんだな。今ならその気もちがわかるぞ、ゴッチ(謎の上から目線)

ナンバーガールの偉大さ。未だにナンバーガールナンバーガールという人の気持ちが俺には痛いほどわかる。若くてリアルタイムに間に合わず後追いで聴き始めた人達が言っていると更にわかる。リアルタイムで聴くチャンスがあったのにみすみす逃して後追いで聴き始めた人が言っていると、一緒にサイゼリヤでミラノ風ドリア(今日食べたんだよね)を食べながら「わかる、わかるよお~」と泣きながら一緒に間違い探しをしたいくらいの親近感を覚える。


そんなナンバーガールが最近再結成した。10数年振り、リアルタイム出来たのにしなかったことで溜まりに溜まった積年のルサンチマン(使い方あってる?)を晴らすことまで出来た(ライブ配信、最高でした‥)


気付いたら俺はなんとなくナンバーガールシンドロームだった!


その事に気付いたあのときの喜びを今も味わいながらナンバーガールを聴く日々です。そしてこれからも‥‥

この画面を観ている方、もしかしたらあなたもナンバーガールシンドロームかもしれませんよ。






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