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10月25日

うちの近所ではあまりハロウィンの飾り付けをしている家が少ない。見る限りご近所に子供が少ないせいもあるのだろうか。今年は子供達もトリックオアトリートに出歩けない。

昨日は甥の息子のバースデーパーティをここから車で2時間の海辺にある大きな家を貸し切って義兄、義姉家族たちが行ったようだ。なぜかそのパーティのために同居している叔母と義姉がルンピア(春巻)とパンシット(焼きそば)を大量に作り、甥の友人が食べ物や私達からのギフトをピックアップして運んでくれると言うプランだった。午前11時頃には取りに来ると聞き、義姉も仕事で不在なので大きな荷物を運ぶお手伝いをしようと私も待機していた。

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私の義母は長年カソリックスクールの校長先生だった。数学を教えていた。その甥の友人も教え子だったそうだ。パーティは行かないのにお化粧してカツラをつけて久しぶりに教え子に会うのが少し楽しみのようだ。義母は校長先生だった頃から髪はベリーショートでお出かけの時はカツラを使い分けている。カツラと言っても全部ショートヘアのカツラだ。ウィッグと言うべきなのか。夫がふざけてつけると恐ろしい事に義母そっくりになる(笑)。ベリーショートの義母がつけるとなかなか自然に見えて80歳を過ぎてもきちんとお化粧する義母。一緒に旅行した時など丸刈りの夫とカツラの義母の支度が異常に早いせいで私だけ旅先でも早く起きて支度しなければならなかった。

義母は午前11時前にはリビングルームの窓からソワソワしながら外を見ていた。「手伝うので知らせてくださいね。」と声をかけたが正午過ぎても誰か来たような気配がない。リビングルームに降りて行くと義母が「まだ来ないのよ。私はどこにも行けないわ。まだ寝てるのかしら。」とため息をつく。これは決して全てのフィリピン系の方全てに当てはまるわけではないが遅れてくるのが当たり前と言うジョークがあるくらい時間にルーズなケースが結構ある。フィリピンエアライン名称PALパルを『プレーン(P)オールウェイズ(A)レート(L)』と言ってしまうくらい遅くやってくる人を私も何人も知っている。義母の家でのクリスマスパーティにも午後9時とか10時にやってくる神父様がいらっしゃる。義母は先生だったこともあり時間にはシャープだしもちろんそうでない人もいる。12時半を回ったところでパーティ主催者の義姉から義母に電話が入る。「紙のお皿を分けて欲しいので荷物を取りに行く彼に渡してちょうだい。」義母が「うちもほとんどないから少ししかあげられないわ。」スピーカーフォンでの会話が聞こえたのでCostcoで買ってきたばかりの大量の紙皿をパッケージごと義母に見せると首を横に振る。どうやらパーティ会場のそばにはお店が全くないらしい。義母が「ほんの少しだけあげればいいから。私達に関係ないわよ。」と言うので20枚ほど紙の皿を袋に入れた。どう考えても20枚の紙皿では10人以上の泊まり込みのパーティには足りないと思うのだが義母はあげなくて良いとキッパリ言う。こういう家族にもちょっと冷たいところが面白い。

午後1時をまわっても待ち人、来らず。叔母も義母も「私達がパーティーの食べ物とか準備するのは今回が最後にしてもらいましょう。くたくただわ。もう出来ないわ。」と話している。確かに木曜日に買い物に行き、金曜日に全て準備して今日で3日目。義母がもしも教え子の彼が来なかったら午後3時に仕事が終わる義姉に行ってもらうしかないわねとまで言っている。ここから2時間のドライブ義姉だって嫌だろう。そろそろ午後2時になる頃、やっとマスクをつけた背の高い青年がやって来た。食べ物とギフトなどを車に積み込んでやっと任務完了。叔母が「昔は可愛かったのにすっかりおじさんになっちゃったわね。」と彼が出発した後、義母と笑っていた。

無事完了を見届けたので私はすぐお散歩に出かけたが疲労困憊の義母も叔母もそれぞれ部屋にこもって静かな昼寝タイムとなった。シーフード好きな義兄達はたいてい蟹を買ってきて調理するだろうし、ケーキも揚げ物もあるだろうに紙皿20枚グッドラック!

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