見出し画像

Caregiver日記 1

ご無沙汰しておりました。こんなに飛行機に乗った年は初めてなきこぺんアロハです。

日本での楽しい思い出はまたいつか書くとしてとりあえず現在進行中の日々を記録しておきたい。

父の様子を見に日本へ行き、数日も経たないうちに夫から電話が来た。前回出会ったサンフランシスコのドクターXからは、来年1月頃と聞いていた手術の日程が決まったらしい。しかも12月⁉︎ 私日本に着いたばかりなんですけどと思いながらも不安そうな夫の声に「わかったよ。間に合うようにアメリカに戻るし、何かやる事があれば知らせてね。」と電話を切った。夫がすでに受け取った手術に関する書類やEメールを転送して来た。日本に着いたばかりのボーッとした頭で読むには結構な量だった。そしてこの手術は、サンフランシスコから飛行機で1時間かかるサンディエゴという街で受ける事になっていた。サンディエゴと言えばやっぱりこの映画を思い出す。

そう言えばつい最近になって夫からの電話の着信音をトップガンのテーマに変えたところだった。もしかしてそのせいで早く呼ばれちゃったんだろうか。サンディエゴは、昔友達も住んでいたので何度か訪れている。美しい街だし、夫が紹介された病院はアメリカでもトップクラスに入ると聞いている。日本滞在を短くしても何とか間に合うよう準備しなくては。

父と食べたおこわ弁当。

久しぶりに会った父に予定より早くアメリカに戻る事を伝えなくてはならない。「良いニュースと悪いニュースどっちから聞きたい?」と私が言うと「悪い方から。」と父。去年と違って今年は年末年始一緒に過ごせない事を伝える。その後に良いニュースは私の娘が会いに来る事を伝えるとたちまちニコニコ顔になった。どう考えてもクレージーなスケジュールではあるが今回娘と同時期の帰省で本当に助かった。

とは言え父の事もちゃんとしておきたい。最近、毎週来て下さっていた移動スーパーの方が来れなくなったと父から聞いて驚いた。急いで別のプランを開始する。ケアマネジャーさんとも無事に会えていろいろ来年の事も含めてお話しする。その合間に夫とサンディエゴに滞在する際に入りそうなものを買いに行く。そしてカーモンベイビーアメリカどっちかの夜は昼間♩って歌の通りで夜中にアメリカに電話をしてサンディエゴでの滞在先を手配する。今回は、大学病院のキャンパス内に治療で訪れた患者さんやケアギバーである家族などが滞在できるアパートを利用できると聞いていたがこれが簡単ではなかった。治療や手術で訪れているのでチェックアウトの日が誰も決まっていないのだ。そんなわけで私達もとりあえずホテルを10日ほど予約した。有名なエリアでもあるのでホテルが高い。何とかキャンパス内のアパートに入れますようにと祈る。

買い物中にスガキヤの濃い味ラーメンセットパワーチャージ。時間がなくてクリームぜんざいは断念(涙)。

アメリカに戻る準備をしながら夫からの指令と父の冬支度をこなして何とか無事アメリカへ戻った。

この後、飛行機は満員になったが8時間のスムーズなフライトだった。デザートの豆大福をとお茶を飲みウトウトしていたら到着。

帰ってスーツケースからお土産類を取り出しながら次の旅の荷造りをする。滞在先は、日本を出る直前に奇跡的に決まったが到着が遅いので1日目だけはホテル滞在する事になった。2日目からはキャンパス内のアパートに入れる。キャンセルの電話をしたホテルは事情が事情なのでとキャンセル料はかからないようにしてくれた。ありがたい。

アメリカに戻って2日後、いよいよサンディエゴへ出発。パジャマ姿の義母メーテルがこの世の終わりのような顔で泣きながら夫にカソリックのお守りを夫の首にかけていた。最初の写真がそうなのだがこれを天国行きのチケットと呼ぶらしい。いやいやそんなんいらんねん。お守りならともかくチケットはサンディエゴ行きだけで良い。ドクターから順調にいけば3、4週間ほどで戻って来れると聞いている私は、無情にもシクシク泣いている義母と手術を恐れて泣きそうになっている夫を引き離す。「はいはい、もう行くんだから泣かないで。向こうに着いたら検査や諸々で忙しいので誰からの電話も出ませんが時々様子は知らせますから。」と釘を刺す。去年、夫が入院した時にあれほど毎日情報を伝えてICUに入院している夫には、絶対電話しないでねと言ったにも関わらず泣きながら電話をかけたからだ。当時夫は両腕点滴で電話に出れる状態ではなかった。心配なのはわかるがこちらの説明も聞かないでしつこく泣いている義母をよしよしする時間も気力も愛情も私には、ない。

去年、夫が入院して生死を彷徨った際に見事にうちの義家族は北米・使えない家族オブザイヤーと認定したが今年も年末の賞レースを待たずして見事にその栄冠に輝いた。今回の手術の件は、急に決まったのであまり多くの人に知らせてもいないが娘や私の友人は「サンディエゴに行こうか?大丈夫?」「何かお手伝いできる事あったら知らせて。」と言ってくれる。昨日は、気が利く友人がサンディエゴ滞在中に使ってとAmazonカードを送ってくれた。夫の同僚の方もとても心配して下さって私に「何かあればいつでも連絡下さい。」と連絡をくれる。一方我が義家族は、「病院でどうだったか知らせてちょうだい。」「検査結果はどうなの。」と言う連絡が毎日来る。前回の入院の際、うるさいのでせっせと義母や義姉に情報を送っていたがそれに対して一切返事も何もなかったので今回は、200%塩対応で行く。あらかじめ義母には「とにかく手術前の検査で毎日忙しい。」とは言っておいた。別に誰かに何かして欲しい訳ではない。夫には私が側にいてアメックスカードさえあれば今回だってちゃんと乗り越えられるのだ。私が日本人だからそんな事を思うのかもだが誰かが大変な時に「何か出来る事があれば言ってくださいね。」と言ってもらえるだけで本当にありがたいし心強い。義兄の息子が最近遠方の医大に入学したが「サンディエゴの大学病院は有名だから。僕は入試落ちたけど。」といろいろ病院の事を調べたと電話をして来て私は夫の隣で会話を聞きながら「情報はすでに持ってるしそこが有名だから紹介されて行くんじゃ。お前じゃなかった君は勉強に専念して。」心の中でつぶやく。

あーっ私って本当心がせまい。でもケアギバー任務は、しっかり頑張ります❣️

久しぶりのサンディエゴ。
最初のディナーはメキシカン。お酒は無事に終わるまでお預け。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?