見出し画像

夢日記#6 白い世界でわたしたちは

クリスマスイブに、こんな夢を見た。

白い無機質なフラットの一室。三人の仲間たちがいる。敵の監視の目をかいくぐり、一人が脱出する。
薄暗いダイニングキッチンで硬貨を数枚受け取り、目顔で別れを言って部屋の外に出た。エレベーター奥の鏡に自分の姿が映っている。肩までの柔らかい茶色がかった髪、前髪は上げて額を出しかすかに微笑んでいる。

しかし、音もなく一人の男が現れ、ポケットの中身を出せと言う。やはり見られていたのか。

逃げようとした者は処刑される。舌を抜いて殺すと脅され、やめてくれと懇願する。男は残忍な笑みを浮かべ、では別の方法で、と廊下を連れて行かれる。狭い部屋で椅子に座らされる。ヘッドギアを被せ、釘を額に刺して固定しようとしてきた。

暗転。

某国で戦争が始まった、と感情のないニュースの声が聞こえてくる。

明るいレストラン、白い二人掛けの小さなテーブル。さっきの残忍な男は、別人のようにはにかんだ表情で向かいに座っている。わたしたちは二人とも正装して優雅に食事をとっているが、男のほうの料理には毒が入っている。

わたしは男に強い恨みがあり、かたきを討つために殺すつもりだ。料理に入っているのは、摂取すると少しずつ体が痺れて動けなくなり、死に至る毒だが、男は承知の上で食べている。完全に動けなくなる直前なら、わたしの手に触れてもいいと約束したからだ。
わたしも男を愛しているのだろうか?だが目の前の男が動けなくなり、表情が消えて静かに倒れるのをずっと待っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?