CRM全体設計&売れる実行ポイント
CRMの全体設計はできていますか?
利益アップのポイントが一目でわかる設計書を元に、勝ち筋を抑えた策定&実行で効率よく事業を育てていきましょう。
こんにちは。ダイレクトレスポンスマーケティングと高速PDCAが大好きなマーケターこんぶです。主に通販などのD2C界隈にて生息しています。
最近CRM関係で多いご相談が
「何が足りていないのか、現状の把握ができていない。やれることから着手してみているが結果がでない。」というものです。
手当たり次第にやってみるのも素晴らしいことですが、売上インパクトが大きく、リソース的に着手しやすいところからやれば効率もいいですよね。
変数の多いCRMこそ、全体設計を見える化することで活路が見いだせます。
現状把握→定量管理→改善の策定→企画・実行→分析
このサイクル(ようはPDCAです)を回し続けることで私は過去、例えばこんな結果が出せました。
※様々な変数、背景があるので単純なビフォアフとは言いづらいです。特に新規の集客方法を変えると後ろの数字に大きく影響がでますし、そのあたりはご了承ください。
再現性は高く、やることは主に下記項目です。
●売上計画を元に戦略の企画・策定
●同梱物、ステップメール、LINE
●スポット・ルーチンキャンペーン
●訴求・レギュレーション改修
このnoteはD2C事業のCRM担当者向けに書いています。
が、集客後の成果や状況を把握することはどんなマーケターにとっても大切なことです。
このnoteで効率よくCRMの重要タスクを発見&クリアし、事業の利益アップに貢献してください!
10,000文字のnoteで、無料部分だけでも全体設計の見える化がイメージつきます。有料部分は主に実務進行のポイント共有となっています。
補足ですが最も売上インパクトを起こすのは新規集客施策に介入し、集客とCRMまるごとビジネスモデルを変えてしまうことです。成熟期の事業だとここに乗り出すことになるかと。
ただこのnoteでは基本的にCRMのみで出来る事を主に記載します。
さて今回も架空のD2C通販をもちいて説明していきたいと思います。
イメージしやすく米粉食パンのサブスクで行きます。
※このnoteでは商品購入をした新規顧客の獲得単価を「CPA」という言い方で統一しています。(会社やサービスによってはCPOだったりすると思いますが)
※このnoteに出てくる数値は参考値であり、整合性に欠ける非保証値です。
1、経路ごとのLTVを整理
現状把握と改善後の結果確認ができるように
昨今では確認ページやサンキューページでクロスセルを行うなどし、新規加入後の顧客の経路が複数に分かれます。
そのためどのような経路をたどるとLTVがいくらになるのかを把握しておく必要があります。
例えばこのパンのサブスクではこんな経路を用意していたとしましょう。
LPにて食パンを販売し、その確認ページで菓子パンを販促。
食パンの定期初回便にて牛乳の販促を同梱物などで行う。
ちなみにクロスをいつ仕掛けるか、のタイミングはその後のLTVにも関わる重要ポイントです。
時系列に合わせてLTVマップを出します。
さらに「明らかに顧客の属性が違うな」と思う新規集客の媒体があれば、別途枝分かれさせて出すのもいいでしょう。
例えば同じInstagramでも「Meta広告での出稿で獲得した顧客」と、「フォロワーが沢山いる自社アカウントから加入した顧客」ではLTVは大きく違うのではないでしょうか。
(これは架空のECで数字は仮ですが)ここから色んなことが分かります。
a ,インスタの自社アカウントのがLTVが高い
b ,確認ページで菓子パンを買う人は牛乳も買ってくれやすい
c ,確認ページで菓子パンを買わず、その後牛乳を買った人が一番LTVが高い
そこからやるべきことや売上アップのための仮説が立てられます。
・a層であるインスタ自社アカをもっと強化しよう。
・菓子パンを買ってくれないb層にむけて、キャンペーンをうってみよう。
・c層が良いということは菓子パンのクロスはもっと後ろがいいのかも?
etc…
ただLTVはあくまでも1顧客当たりの売上平均であって、実はここが高い低いだけで善し悪しが判断できるものではありません。
上げたいのは利益額であって、LTVが高くてもCPAまで高い販売モデルでは事業が成り立ちませんもんね。
とはいえ何処を改修し、どのように数字をあげていけばどうLTVに影響するのかか、ベストのルートを模索するのに適した整理の仕方です。
★実行ポイント
✓現状の経路とLTVを整理
✓どこが変わるとLTVがいくら変わるか、やれるところを考える
✓目標として置くべき対策場所・数値を暫定決定する
✓改修後、どのような結果になったかLTVのビフォーアフターを確認する
2、管理すべき数字
主に3つの観点での管理が必要で、CRMだけでなく事業全体に大きく関わります。
①年間売上計画表
②顧客の月次推移表
③集客採算表
(このあたり、もうTableauやPower BIなどのBIツールでがっつり自動で出せてるぜ!という段階に来ている方には不要かと。)
①年間売上計画表
新規集客とCRM、両方で見るべきもので、収支計画とも呼ばれます。
既存客で作られる売上は、日々の新規集客の量や質にも大きく影響されます。
また定期加入者になったからといって、スキップやお休みをされるお客様もいるので必ず毎月発送されるわけではありません。
それらを考慮し当期の売上予測・目標を精密にたてていきます。
と同時に今期の売上・利益額を達成するために(新規集客もですが)CRMでクリアすべき転換率や発送率、継続率が見えてきます。
これについては下記noteに詳細を載せていますのでご覧ください。無料部分で充分です。
★実行ポイント
✓今期の売上計画表を作る
✓新規集客、CRMで達成すべき数値の確認
✓CRMでクリアすべきKPIを算出
②顧客の月次推移表
既顧客の動きを毎月抽出し表にだします。
例えばF階層ごとに継続率・発送率・新規商材売上・クロス商材売上・クロス率などです。
当月の内訳を記録して、前月と見比べたときに何がおきているか定量管理します。
下記のようにどれだけ発送や解約が起きているのか、F階層ごとに管理してみましょう。
毎月つけることで
「F4移行の発送率あがってるな。あのツールの効果かな」
「新規客をふやしたら解約率が上がったな」
など発見があります。
さらに細かく数値出しができるのなら、加入月ごとに抽出するのもおススメです。(細分化はExcelではこの辺りが限界かと)
各施策ごとに結果の集計と分析は当然行うのですが、F階層ごとや全体においてどんな影響がでているか観察し続ける必要があります。
私はこれをCRM版のGoogleアナリティクス(GA4)のようなものだと思っていて、何か異常値や問題が起きていないかの「現状把握」をし、改善につなげられるよう定期的に観察するものと捉えています。
なのでこの表には「どうしたらいいか」までは書かれておらず、あくまでも
問題箇所の発見に使うにとどまります。
★実行ポイント
✓顧客の月次推移表を毎月出す
✓現状値を把握
✓不自然な値の変動を察知、仮説と改善方法を模索
③集客採算表
集客時の内容でその後の売上(LTV)は大きく変わるため集客経路ごとに採算を割りだします。
これ、どこまでも詳細にできちゃうのですが個人的にはメディア(YDAとかGDNとか)のリーチ・リタゲくらいまでで良いかなと思います。
(広告マネージャーでいう)キャンペーンごとまで出したとしても運用のなかで常に変数がありますし、顧客タイプが大きく違うかがポイントです。
バナーやLPごとに出している事業者さんもいますが凄い、猛者だなぁと思いました。
回収までどれくらいかかったのか追っていき、集客や出稿の判断に活かしていきます。
私も新規集客の広告運用をすると、
「CPOは下がったものの、このやり方でLTVや回収(黒転)速度はどうなったのだろう」と今度は後ろが気になります。
ここの管理は集客チームでも重視し管理していきたい数字です。
★実行ポイント
✓集客採算表を2ヶ月に1回ほどだす
✓利益額のでやすい集客方法はどこか確認&拡大
✓CRMに反映させられる部分があれば合わせる
✓逆に悪いところの足切り、改善
3、追うべきKPI・KFS例
追いたい数値例として例えばこんなものがあります。
↓ ↓ ↓ ↓
当期売上額
LTV
黒字化必要月数
(売上に対する)広告比率
リピート率
クロス率
優良顧客数
特別会員加入数…etc
そのなかで今回は私が重要だと思う「継続率」「残存率」「発送率」についてピックアップします。
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