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歩き方が変われば足底腱膜炎『踵の痛み』は治ります。《歩行データから施術》

◎足底腱膜炎の歩行動画のビフォー・アフター

まずは、動画をご覧ください。(歩行動画は2往復しています)

どのような経過をたどったのか。どのような施術をしたのか。
詳しくは、続きをご覧ください。

※このページをご覧の方は、即効性がある治療をお探しの方も多いかと思いますので『おススメのストレッチ』を紹介します。ハムストリングス(大腿の後面の筋肉)が硬くなると、骨盤後傾になりやすくなります。骨盤後傾などの要因で後方重心になると踵から接地した際に重心移動が停滞します。それにより痛みが助長されます。詳細は続きをご覧ください。


◎足底腱膜炎×歩行動画×AYUMIEYE       

一般的に足底腱膜炎(足底筋膜炎)は、『土踏まず』がない状態の偏平足で起こるといわれています。
偏平足により足底腱膜炎になっているのであれば、ハイアーチを促すエクササイズをすることにより軽減できるはずです。
それなのに、足底腱膜炎が治りにくいといわれるのはなぜでしょう?

《足底腱膜炎に有効といわれるエクササイズを行ってみたが、痛みが良くならない。》
《病院や治療院で施術後は楽だが、痛みが長引いている。》
《ネットで検索したが、治りにくい症状だと思っているので放置している
など様々な悩みがあるかと思います。

当院にいらっしゃる方も、数年前からの痛みを放置しているケースや、整形外科や治療院に通院したけどなかなかよくならないケースが非常に多くあります。
痛みが軽減できない足底腱膜炎は、アプローチ方法がうまく行えていない可能性があるのではないでしょうか?

今回の症例は、『土踏まず』がしっかりある状態いわゆる『ハイアーチ』での足底腱膜炎です。
足底腱膜炎の一例として見ていただければ幸いです。
また、レントゲンを撮り骨棘(骨の出っ張り)があるから痛みが引かないと思われている方にもぜひ見ていただきたいです。
文章が苦手という方は、画像・歩行動画だけでも見ていただけると嬉しいです。

当院では、『姿勢・歩行・歩行時のデータ(AYUMIEYEによるデータ)』を組み合わせて施術を行っています。


むさしの接骨院

東京都府中市むさしの接骨院はこちらをご覧ください。


AYUMIEYEについてはこちらをご覧ください。

バランスマップにより骨盤の前傾・後傾が分かります。
また、歩行スピードや足の接地時間などにデータも取れます。

AYUMIEYEデータの見方


◎足底腱膜炎 症例


60代・女性
8月頃、車から降りる際に右足踵が痛くなる。

その後、整形外科受診。
レントゲンを撮り骨棘があり右足底腱膜炎と診断される。

8月頃に整形外科を受診した際のレントゲン写真。初診時に持ってきて頂きました。

湿布・痛み止めの飲み薬・安静指導されたものの、痛みに変化が出なかったため9月下旬に当院受診。

※症状の経過やレントゲン写真・歩行動画などすべて患者様の許可済み
※静止画より歩行動画の方が、大まかなイメージが伝わりやすいかと思います。静止画にすると見方によっては、こじつけっぽく見えてしまうかもしれません。

●静的評価(姿勢)


〖骨盤〗  右前方回旋。後傾。(骨盤回旋テストや触診を行う)
〖脊柱〗  左腰椎凸右背部凸の側弯様姿勢。
      (触診や脊柱前屈動作を行う)
      (痛みを避けるための一時的な機能的側弯と考える)
〖右足部〗 後足部中間位。(やや外反)ST関節回内制限(距骨下関節)。
      MT関節内転優位(ショパール関節)。
      1Lis背屈優位(第1リスフラン関節)。
        ※左足部も評価していますが省略

※静的評価は写真・動画撮影出来なかったため、参考までにテスト法のサンプル動画です


●動的評価(歩行)


・左右で歩幅を見比べたときに右の歩幅のほうが大きい。
(右肩が下がる動きが写真で分かりにくかったため、方の動きのみ最後にスローで再生されます。)


・右足を踏み出した際に右大腿が内転している。
 (骨盤後傾・右前方回旋により、運動連鎖から大腿骨の内転が起こりやすい。骨盤・大腿骨の位置も相対関係から内転筋に上手く力が入らない。)

大腿骨内転(全身)
大腿骨内転(拡大)

・右足が接地した際に右肩が下がる
(右骨盤前方回旋のため背部の筋力が働きにくくなったため)

右肩が下がる(全身)
右肩が下がる(拡大)

・足が離れていくときにつま先が内側を向いている。
(右足は後足部内反・ST回内制限によりMT内転優位になり、縦アーチが常に緊張状態になっているため。)

足部内転(全身)
足部内転(拡大)


●AYUMIEYE

9月27日 AYUMIEYEデータ

❶歩き始めは左の接地時間が長くなっている。そのため、右足が接地した際に後足部(踵)にかかる圧が大きくなりやすい。
❷軽度の骨盤右前方回旋あり。また、右横の骨盤の膨らみあり。
(右大腿骨の内転による側方への動揺。スウェーと考える。)


●姿勢・歩行・AYUMIEYEから考える問題点


・姿勢(触診・骨盤回旋テスト)や歩行(右肩が下がる・大腿骨内転)から、骨盤右前方回旋と考えられるため右の歩幅が広くなる。
AYUMIEYEのデータからも、左足の接地時間が長くバランスマップから骨盤の側方動揺がみられるので、右の歩幅が広くなっていると考える。
さらに、立位時の姿勢がそもそも骨盤後傾なので右の骨盤後傾が助長される。

以上のことから、
①右足が地面に接地した際に踵に重心が残っている時間が長くなり、衝撃が加わりやすい。
 
・足部の触診で後足部内反。ST回内制限。MT内転優位。のため、歩行時に足が離れる瞬間までつま先が内側を向いてしまっている。

以上のことから、
②足の後ろ側(後足部)の可動制限で足底の緊張がなくならない。

●対処法


①     骨盤を前傾に促す施術を行う。
 (大腿後面の緊張をとり、右臀部の筋力トレーニング)
変化がなければ側弯様姿勢に対するエクササイズを行う。

②     足部に対しては、テーピング・中敷きにパッドを貼る。
それにより、ST回外可動域を出しMTを外転させていきたい。

※市販されている偏平足を持ち上げるインソール(縦アーチや距骨を持ち上げる)や立方骨を持ち上げるインソールでは、痛みが軽減しにくいと考える。
そこで、パッド処置(靴の中敷きに数ミリの材料をテープで貼る)をして足の可動範囲が確保できたら、スーパーフィートのインソールで対応していきたい。

パッド処置例
スーパーフィートのインソールも適切と考えられる種類を選択します

スーパーフィートについてはこちらをご覧ください。

スーパーフィートとは?

●簡単にまとめ

①骨盤が後傾している(後ろに倒れている)→
   骨盤を前傾させる(前に倒す)
②足部内転(つま先が内側を向いている)→
   足部外転(つま先をまっすぐ蹴りだせるようにする)


◎施術経過

初回 9月27日

 評価内容を、なるべく分かりやすくお話しする。
靴にパッドをつけたい理由や、エクササイズをしていきたい旨を説明する。
筋肉の緊張緩和のため、腰から大腿部後面・足底にかけて電気治療・手技療法を行う。
(特に後足部内反・ST回内制限により、アキレス腱近くの脂肪体の内側が硬くなっている)
即効性を考えて、足裏にテープ処置をしたところ痛みが緩和する。
※足の裏にテープを貼るだけです。症状や可動範囲から適切と考えられる場所に貼るだけで痛みが軽減します。

当日、実際に貼ったテープ

次回の来院時に、靴の中敷きにパッドを貼ることによりテープ処置と同じ効果を再現させたい。普段よく履く靴を持ってきて頂くようにお願いする。


2回目 9月30日

 27日より痛み軽減。
靴にパッドを貼りたかったので、通院間隔を短めに来院してもらう。
写真のようにパッドを貼る。

実際に靴の中敷きにパッドを貼った様子

アキレス腱近くの脂肪体も、柔らかくなっている。
前屈動作の確認から、側弯様な姿勢ではある。
初回と動きの変化がみられないため、側弯に対するエクササイズと骨盤前傾を促すエクササイズを行う。

※動作分析コース(ロング)では、指導した体操を個別用でYouTubeにあげています。体操が苦手な方でも確認して行えるようにしています。
また、視覚からの情報が入ることにより運動効率もアップします!


3回目 10月5日

 靴を履いた状態では痛み無し。
アキレス腱近くの脂肪体は柔らかくなったので、大腿内転筋下部の腱繊維を中心に手技療法に行う。
エクササイズを確認したところ、うまく行えていたのでそのまま継続する。


4回目 10月12日

 局所的な痛みから、広範囲の鈍痛になる。
前屈動作での側弯様姿勢はみられなくなったので、側弯に対するエクササイズは中止する。
引き続き、骨盤を前傾させていきたいので負荷を上げていく。
また、大腿内転筋下部の腱繊維に負荷がかからないようにする目的で、大腿部の内転筋のエクササイズを追加する。
痛みが軽減しているので、エクササイズを継続しながら2週間後の来院にする。


5回目 10月26日

 長時間歩いた後にのみ、痛みがある。
大腿内転筋下部の腱繊維は柔らかくなっている。
内転筋エクササイズ時に、もう少し細かく意識をして骨盤前傾させていきたい。
パッド処置により、右足の可動範囲が広がる。
後足部中間位・ST回内可動あり・MT中間位。となってきたため、スーパーフィートのインソールで中間位を安定させていきたい。
その際に、『身体への負担の少ない靴を購入したい』とのことでしたので、足の測定をして靴を選ぶ。
発注となったため、次回インソールと靴のフィッティングを行う。

※当院では、足の測定や靴の購入も出来ます。
今回は、靴の機能に問題は無いと考えたため、先に靴の購入を勧めずに中敷きにパッドを貼りました。
靴の消耗が激しい場合は、靴の購入をおススメする場合もあります。

実際に当院で購入した靴。余談ですが、防水がほしいとのことでしたのでゴアテックス使用です!


6回目 11月10日

 痛みが停滞する。
スーパーフィートのインソールと、靴のフィッティングを行う。
一か月過ぎたため、再度AYUMIEYEで計測を行う。
(静的評価・歩行は毎回確認済み)

〖AYUMIEYE〗

11月10日 AYUMIEYEデータ

 ❶歩き始めの接地時間が、同じになってきている。
 ❷バランスマップの右斜め上の膨らみが、初診時より少なくなっている。

〖歩行〗   
右肩が下がらなくなっている。


右肩が下がらない(全身)
右肩が下がらない(拡大)

以上のことから、   
骨盤右前方が回旋小さくなった(骨盤がやや前傾位)と考える。

骨盤前傾のエクササイズは、負荷をあげてそのまま続ける。
右後足部の可動制限は良くなっている。
しかし、右足が地面から離れていく際、つま先が内側に傾いている動きにあまり変化が見られない
そこで、第1リスフラン関節が背屈優位になっているので、底屈優位に働くようにエクササイズを行う。
第1リスフラン関節底屈優位になれば、つま先が離れる時に親指でしっかり蹴りだせるようになると考える。
足部が内転する前に底屈方向に働きやすくなり、足底に無理な力が加えられなくなる効果を期待する。


7回目 11月24日

 さらに痛みが弱くなる。
足部の可動評価から、第1リスフラン関節も底屈優位になってきている。
エクササイズは上手くできていたので、同じものをそのまま続けてもらう。


8回目 12月15日

 12月になってから、痛みが消失する。
約2か月となった為、AYUMIEYEの計測を行う。
良好ではあるが、骨盤後傾様のバランスマップのデータが出ている。
歩行や痛みの消失からバランスマップの骨盤後傾様データは背部の筋力不足によるものと考える。背部のエクササイズを指導する。


〖AYUMIEYE〗 

12月15日 AYUMIEYEデータ

 ❶バランスマップより骨盤の回旋は良いが、未だに後傾はある。

〖歩行〗    
 右足が地面から離れていく時、親指でしっかり蹴りだせるようになっている。


足部内転(全身)
足部内転(拡大)

以上のことから、右足部の内転が減少したと考える。


【AYUMIEYEのデータでは骨盤後傾となっているが、
痛みが消失したので症例としてはここで終了とする
】】


ここで、改めて歩行動画のビフォー・アフターをご覧ください。
歩き方の違いが分かると思います。


◎まとめ

あくまでも足底腱膜炎の一つの症例です。
偏平足による痛みもありますし、構築性の側弯症では対処の仕方も変わることが考えられます。その他、脛骨が湾曲している変形など病態は様々です。

足底腱膜炎で悩んでいる方…
当院に起こし頂ければ、今までとは違った別の角度からの施術のアプローチができると思います。是非ご相談ください。

また、遠方で来院できない方は、
『靴やインソールを変えてみる』
『歩き方を診てインソール処置を行っている病院・治療院に通院する』

など、何かしら対応してみてください。
できれば、ご自分で対処せずに専門の先生に診てもらいましょう。

まだまだ、色々なアプローチ方法があると思います。
痛みがある方、あきらめないでください!
何か原因があるはずです。
痛みが引いてくれることを願っています!

何か行動を起こすきっかけになれば…と思い、書かせていただきました。
少しでも、皆様のお役に立てて頂ければ幸いです。



むさしの接骨院

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