ぼくの自炊塾~「18歳からの自炊塾」比良松道一氏著を読んで~
僕の実家では、家庭の食卓の一切の準備を母親が担っていた。私たち兄妹と父親は、今日何が食べたいかリクエストするだけで魔法のように望んだ夕食にありつけた。産まれてから長い間、それに何一つ疑問を感じていなかった。キッチンで日々何が行われているかすら見たことがなかった。
そのため、毎日存分に美味しく温かい食事は食べていたが、それができるまでの過程や、この料理に食材に何が入っているか、食材がどこから来るかなどについて知識はなく、興味もなかった。僕にとって食事とは、お腹が空いたら目の前