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【本のこと】『本と鍵の季節』

はじめに

皆さま、こんにちは。暑いを通り越して燃えそうな日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?前回の投稿が2021年1月6日だったので、随分久しぶりの更新になってしまいました(汗)。

この空白の期間、私は社会人生活をスタートさせました。念願叶って仲間入りできた場所で、ヒーヒー言いつつも何とか頑張っています。半年後も1年後も3年後もさっぱり想像できませんが、今はとにかく目の前のお仕事に向き合って、1つひとつ積み上げていくしかないかな、と思っている次第です。

社会人になっても読書は変わらず続けていて、2022年7月は17冊を読了。社内でブックレビューランキング1位をぬるっと獲得し、新たな喜びに出会いました(笑)。

ただ、「こんなにたくさんの作品に出会っているのに、読みっぱなしは良くないよな……」と思い、「そうだ、noteを書こう!」となったのでした。相変わらずの駄文になるとは思いますが、お付き合いいただければ幸いです。


安定の面白さ

さて、今回は、2022年の59冊目となった、米澤穂信さん『本と鍵の季節』(集英社)をご紹介します。

米澤穂信先生と言えば、アニメ化・漫画化・実写映画化された『氷菓』をはじめとする古典部シリーズで有名。「安定の面白さ」を世に送り出し続けている、とてもとても魅力的な作家さんです。

作品紹介を簡単にすると、メインの登場人物は、堀川次郎(ほりかわじろう)と松倉詩門(まつくらしもん)。どちらも高校2年生で図書委員会に所属しており、図書当番を一緒にするうちに少しずつ仲を深めていきます。
※「詩門」という名前が印象的ですが、作品の後半でちょっとした種明かしがあるので、ここも注目です!

この2人は、図書委員会の先輩から持ちかけられた依頼をきっかけに、いくつかの謎に関わることとなります。個人的イチオシは、3番目に収録されている『金曜に彼は何をしたのか』。「そんなラストになるなんてー!!!米澤先生すごー!!!」という語彙力ゼロの感想を持ちました(笑)。

そして、「学校を舞台とする日常ミステリー」かと思いきや、次第に浮かび上がる1つの謎。次郎と詩門の関係性をも変えてしまうかもしれない謎に、ページを捲る手が止まらず、日付が変わるギリギリまで読み続けてしまいました。まんまと米澤先生の魔術にかかった私です(笑)。

また、ところどころに散りばめられている、男子高校生2人の微笑ましい会話に思わずキュン……。私のイチオシはコチラ!

(駅前の立ち食いソバ屋へ向かう途中。同じ委員会の後輩から謎解きの手助けを依頼された件について話しているシーン。)
「なんだ堀川、ずいぶん大人なことを言うじゃないか」
「少年はいつか大人になるんだ」
「大人は学生にソバくらいおごれるよな」
「ふざけんなよ」

『本と鍵の季節』122頁目

かわいい……。謎解きパートがかなり重厚だからか、2人の何気ない会話パートのやわらかさがコントラストになっている気がしました。この作品を読まれる際は、ぜひキュンな会話もお楽しみください!


おわりに

久しぶりの更新となった今回は、米澤穂信さん『本と鍵の季節』(集英社)をご紹介しました。皆さまの読書生活に彩りを添えられれば嬉しく思います。

まだまだ暑い季節が続きそうですね。皆さまが毎日を健康に過ごせますように!

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