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全力疾走!

帰り道。

信号待ちをしていたら、
自転車が目の前を全速力で通り過ぎていった。

背中にはリュックサック。
信号はすでに赤。
時刻は10時前。

どこへ行くやら、何をそんなに急ぐやら。

想像を巡らせながらも、
なんだか清々しいものを見たなぁと、
晴れやかな気持ちにさせられたのだ。


思い出に後戻りする。

目的地に向かうまでの、その時間。

何があったわけでもなく、何をしたでもなく。

きらきらした思い出は綺麗な箱に入っていて、いつでも思い出せるようになっているけれど、

目的地に向かうその一コマは、
別段、思い出には残らずにそのまま。

でも、思い出すとなんだか愛おしいもの。


全力疾走。

高揚する気持ち。

抑えれないまま、走っていく。

まだ未ぬ世界へ、体より、心が先に。

不安、でも、期待。

そして、希望。


今も、何か夢中になれるものがあるだろうか?

全力疾走で向かいたい目的地があるだろうか?

ただ、がむしゃらに。

迷っても、焦っても。

駆け抜けた時間を思い出すと、それがどんなに貴重な時間だったかを思い知る。

久しぶりに、風を切って、走ってみたい。


#エッセイ #散文 #思いつき #独り言 #全力疾走




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