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これは小説です。

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勢いで初めてみました。 短編小説を投稿していく予定です。マガジン名悩み中。
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2021年11月の記事一覧

最悪な未来と現在の思考

最悪な未来と現在の思考

 ぼんやりと考えることがあった。生きていて意味があるんだろうかと。
 しかしそう考えていた時が幸せであった。
「止まらない」
 とある場所に向かった先にあった急激な下り坂を自転車で漕いだ時に問題が発生した。ブレーキが止まらない。脳味噌は自転車の回転とともに激しく回転していった。下り坂の先には激しい車通りがある。
 このまま進んでいったら間違いなく死ぬ。私はそう確信した。私はとっさに足先を地面に置い

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恋。人口物

 クラスが同じ男子生徒に放課後一つのゼリーを渡された。薄ピンク色のそれは最近この村で流行っている「恋心ゼリー」というものであった。
 この日本の中で一生TVや雑誌で取り上げられることがなく、老人ばかりが増えていくこの田舎でそれは突然として流行りだした。スーパーやコンビニで売られるそれは好きな人と両想いになりたいときに相手に渡すといったものであった。
 値段は一つ1000円、サイズは通常のゼリーと同

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尻からアロワナ(に似たもの)

尻からアロワナ(に似たもの)

 便意を感じてトイレに行った。そのまま用をたそうとリキんだら尻から感じたことのない感覚が感じた。それはにゅるりと出てきて、ちゃぽんと落ちた。

 トイレットペーパーに手をかけた手を止めて見るとそこには中くらいの見慣れぬ魚がいた。

「うわっ」

 私は目を擦り、もう一度確認するがそこにはまごうことなき魚が一匹泳いでいた。渡曽はなにがなんだかわからなくてそのままトイレに流した。魚はトイレの中に消えて

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青い猫喉に入る。

朝起きると喉奥から猫の顔が見えていた。どうやら寝ている間に青い猫が僕の口の中に入ってきたらしい。聞いたことのない話だったので初めは動揺した。
しかし、猫はそのまま出てこなくて10年がたった。もはや私の身体の一部となっていた。猫は時折私のお腹の辺りでニャーと言ったりしている。ごくまれに私の喉から手を伸ばして口を開かせ、机やご飯の入った食器を触るといった規則性のないことをしていた。
ある日、帰路につい

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