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あるまじろう
2020年5月19日 20:27
「今日の夜、六時に私と一緒に来てほしい。」 いつもと違って静(しずか)は私に少し声を震わせながらそう伝えた。 「良いよ、それまでどうしてよっか。図書館五時に閉まっちゃうし。」 何事かと思ったが静のペースを考えて私は問い詰めることはせずに答えた。「そ、そっか。じゃぁ五時半に、五時半にしよう。」 私より少し高い背で、椅子に座る私を見下ろしながら、慌てて静はそう訂正した。「五時
2020年5月12日 22:07
近所の公園に一匹の猫が居る。真っ白い毛並みに、右目が青く、尾が普通の猫に比べてやや長い猫である。 近くのスーパーによる時に歩いて出かけると時折その猫がその公園を歩いていたり、座ってくつろいでいたりするのを見かけていた。はじめは気にかけていなかったが、ある日その猫が鳴くのを聞いた。「ミート500グラムペットボトル入りで」 少し高い合成音声のような声で、言葉の調子が少し下手であったが猫は
2020年5月5日 19:43
三城(ミキ)が窓の外を見ると雲行きが怪しくなっていた。さっきまでの晴れ空は嘘みたいで夕立雲がどこからともなく出てきていた。帰りの会の時間がいつも以上に長く感じる。早く帰りたいと三城は思っていた。 三城の友達である城田はそんなことに気付かないで机の下でスマホを開いてゲームをやっている。別に帰りの会の時間がいつもより長かろうとそんなことは城田にとってはどうでも良いことだった。家に帰ってゲームをする