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右とか左とかの考え方、大好物です。(わかる人、あなたも変な態の人です。)
こんにちは!デイジーです。
今回はイタリアのミラノで行われたパイロットスタディをご紹介します。
タイトル
右呼吸…それとも左呼吸!片鼻呼吸が心理的・認知的健康に与える影響
1.イントロダクション
片鼻呼吸(UNB)は、精神的明晰さ、集中力の向上、ストレス軽減、リラクゼーションに関与する古代からの技法です。本研究は、右鼻呼吸(URNB)と左鼻呼吸(ULNB)が心理的および認知的健康に与える影響を探ることを目的としています。
2.対象者
20名の成人(女性12名、男性8名、平均年齢22.95歳)が参加しました。全員が右利きであり、視力が正常または矯正されていること、18〜45歳の範囲であることが条件でした。また、精神疾患や呼吸技法の長期経験がないことも条件としました。
3.検査方法
参加者は8日間の片鼻呼吸トレーニングプログラムに参加し、右鼻呼吸または左鼻呼吸のいずれかに割り当てられました。
(参加者は利き手でヴィシュヌ・ムドラを行います。親指または薬指で鼻孔に軽く押し付ける方法です。全員が右利きであるため、右鼻孔を閉じる場合は親指、左鼻孔を閉じる場合は薬指を使用します。片鼻呼吸を各4〜5分の長さで行い、呼吸前後で評価。)
毎日、気分評価スケールと心の迷走評価スケールを用いて、ウェルビーイング指数を測定しました。
4.結果
気分状態の変化:
URNBグループは、ストレス(平均スコア:前4.54、後3.4)と落ち着きのなさ(前4.14、後2.99)が顕著に減少し、幸福感(前6.12、後6.42)と落ち着き(前6.49、後7.72)が向上しました。
ULNBグループでも同様の改善が見られましたが、URNBグループほどの顕著な変化はありませんでした。
心の迷走:
心の迷走の頻度は、両グループともにトレーニングの進行に伴って減少しました。特にULNBグループでは、心の迷走の発生率が有意に減少し、トレーニング開始時の平均スコア14.8から終了時の10まで低下しました。
※心の迷走について
心の迷走とは、意図しない思考活動や注意の散漫状態を指します。
5.考察
URNB:URNBは交感神経系を活性化し、ストレス軽減、リラクゼーション、および感情制御の改善に寄与します。URNBは特定の脳領域、特に前頭前野や辺縁系における感情の二重調節を介して効果を発揮する可能性があるため、URNBの効果は、左脳の活性化を通じて右脳の感情制御に影響を与えることによるものと考えられます。
ULNB: ULNBは副交感神経系を活性化し、心の迷走を減少させ、認知制御ネットワークの機能を向上させます。ULNBは特にデフォルトモードネットワーク(DMN)の活動を減少させることにより、心の迷走を減少させる可能性があります。そのためULNBの効果は、右脳の活性化を通じて左脳の認知制御ネットワークに影響を与えることによるものと考えられます。
6.まとめ
Q:片鼻呼吸は心理的および認知的健康にどのような影響を与えるか?
A:片鼻呼吸(UNB)は、ストレス軽減、幸福感の向上、心の迷走の減少に寄与します。特にURNBはストレス軽減とリラクゼーションに効果的であり、ULNBは心の迷走を減少させる効果があります。これにより、片鼻呼吸は一般の人々のウェルビーイングを向上させるための有効な手段であることが示唆されます。
7.疑問点や今後の課題
本研究はパイロットスタディであり、結果を一般化するためには、より大規模なサンプルと対照群を含むさらなる研究が必要です。また、性別や年齢などの個別の特性が結果に与える影響も考慮する必要があります。さらに、UNBが特定の疾患や状態に対してどのように役立つかを検討することが求められます。また、呼吸法の効果を長期的に追跡するための研究も必要です。
以上が今回の論文紹介です。
『右の鼻で呼吸すると交感神経系が活性して、且つリラクゼーション効果がある』
とのことですが、以下補足説明です。
※右鼻呼吸は直接的に交感神経系を活性化しますが、これは左脳を活性化し、右脳の感情制御に間接的に影響を与えることで、結果としてリラクゼーション効果が得られる可能性があります。このメカニズムは、単純な交感神経系の活性化だけではなく、脳全体のバランスや感情制御に関与する複数の要因が組み合わさることで説明されます。
集中力をアップさせたい時などは左の鼻呼吸をしたすると良いかもしれませんね!
ここまで読んでいただきありがとうござました!
この論文の詳細は以下をご参照ください。
Breathing Right… or Left! The Effects of Unilateral Nostril Breathing on Psychological and Cognitive Wellbeing: A Pilot Study
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38671954/
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