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2018年6月の記事一覧
「みずからの火」を読む
作者にとって、第二歌集から四年目になる歌集である。
帯に「緊密で美しいことばたち」とある。ハードカバーであるが歌集のサイズがコンパクトである。鮮やかな赤色の装丁がシンプルで目を惹く。また、歌集を開くと、一ページに一首という贅沢なレイアウトになっている。
あとがきに
「ここ数年、現代詩をよく読んだ。いくつかの試みもした。上手くいったもの、そうでないもの。そもそも上手くいくという事はどういうこと
「水中翼船炎上中」を読む
誰もが過ごした、去年の長期休暇、あるいは夏休みを、くちゃくちゃってかき混ぜて、頭から透明なレジ袋を被ったまま下から覗いた日本に暮らす。液体でもない固体でもない、丁度中間のゲル状の心情から滲み出てくる言葉、そんな印象を持った。
液体は流れてしまって形を持たない、固体は形を持つけれども動くことは難しい。言葉は震えながら動こうとする。おそらく作中主体の心情がゲル状の感性を抱えているのだろう。
難しい言葉