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「ハケンアニメ!」を観て~誰かにささる作品を届ける人たち~

「ハケンアニメ!」良かったです!ベタだけど、作品の売り方、リア充、SNSの使い方などのアニメ業界の仕事話もさることながら、アニメ作品が、現実を生きる力にもなるという力強いメッセ―ジ、素晴らしかった。劇中のアニメ画像もきれい。吉岡里帆、中村倫也、柄本佑、尾野真千子の主役4人の好演も。吉野耕平監督作品。辻村深月原作。

1.登場人物

 斎藤瞳(吉岡里帆)・・・国立大卒で県庁勤務のち、七年前に王子千晴監督の「光のヨスガ」を観たことから、観る人に魔法をかけられるような作品をつくりたいと熱い思いで転職。新人監督として、抜擢され、「サンドバック、奏の石」を制作。

 王子千晴(中村倫也)・・・アニメが現実を生き抜く力になると信じる天才監督。「運命戦線リデルライト」を制作。

 行城理(柄本佑)・・・斎藤瞳を抜擢した東ケイのプロデユ―サー。売れることを常に考え、メデイアやSNSを駆使して作品を届ける手法で、斎藤瞳監督にストレスを与えるも実は彼女の才能をかっている。

 有科香屋子(尾野真千子)・・・天才監督王子千晴のプロデユ―サー。息詰まる彼を励まし、信頼される。

2.アニメ業界の仕事話・サイドストーリー

 あらすじは、夕方5時に放送されるアニメ枠で、一番の視聴率をとるべく、斎藤・行城組と王子・有科組が競争する話です。

 アニメ業界で働くいろんな人も出てきて、サイドストーリーも面白かったです。可愛いアイドルの声優さんに、実力不足と斎藤監督は反発し、ダメ出しばかりして泣かしてしまいますが、行城は、彼女のSNSでの発信力が集客につながると起用し、ラストへ向けて和解へ。

 聖地巡礼を町おこしにしようとする市役所職員は、リアルでしか生きられないとアニメの世界、最初不安視しますが原画制作の女性との交流もあって、アニメで感動体験へと。

 斎藤瞳のマンションのとなりの部屋に住む少年は、かぎっ子であり、いじめられっこでもあり、アニメは観なかったのですが、彼女の薦めで、「サンドバック」を観るようになり、彼女の思いが届き~。

 斎藤監督との対談で明かされる、王子監督自身のリアルではダメな恋愛生活がアニメが現実を生きぬく力になるという衝撃の告白なども心に残りました。

3 誰かに刺さる作品を

 一つの作品をつくるのに、たくさんの人の力が働き、受け取った人の運命をかえることもあるという現実を上手く描いていました。「書く壁は書くことでしか越えられない」「見る人に魔法をかけられる作品を」「アニメが現実を生きる力になった」など素敵なセリフもたくさんありました。

 エンドロールのあと、柄本佑さんの後ろ姿で、小さなサプライズも。

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ハケンアニメ!とは、アニメで覇権を獲るという意味で、頂点をめざすという。斎藤瞳監督が「ハケンアニメ」を目指し、奮闘する成長物語にもなっています。日本が誇るアニメの世界、仕事小説としても、現代の生き方のメッセージ小説としても、一生懸命の好きが伝わってきて、面白かったです。

(画像はyoutube.comさんより借りました)

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