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話題の本「呪いを科学する」~中川朝子著

 第39回大阪女性文芸賞を受賞した中川朝子さんの本です。現役の医大生であり、純文学とSF小説が好きという中川さん。小さいころから、魔法やオカルト、都市伝説に興味があったそうです。この本は小説ではないですが、彼女の博識さが発揮され、「呪い」を科学の視点からとらえることで、新たな呪いの楽しみ方を提案してくれます。第17回出版甲子園準グランプリ受賞作。

☆「呪いを科学する」 中川朝子著 1210円 ディスカヴァー携書
  第1章 外の呪い
  1.現代の呪い
  2.王家の呪い
  3.神の呪い
  4.離島の呪い
  5.異形の呪い
  6.自然の呪い
  7.災害の呪い
 第2章 内の呪い
  8.不浄の呪い
  9.憑依の呪い
 10.ミクロの呪い
 11.睡眠の呪い
 12.幻の呪い
 第3章 未知の呪い
 13.偽りの呪い
全部で13章からなります。「呪い」というとマイナスのイメージを持ってしまいますが、ここに書かれているのは必ずしもマイナスではないです。血友病などの遺伝病も、医学が進歩する前は「呪い」だと思われていたとか、勝手に身体が動く舞踊病も病気の解明される前は「呪い」でなったと思われていたとか。医学薬学の進歩によって今では解明されている事象も、当時は「呪い」と思われていました。現代では、さらにインターネットの発達により、専門家でなくても病気を検索で知ることもできるようになりました。そんな事例が紹介されています。「河童の川流れ」の正体は、子どもの水死体の可能性が高いという検証は、なんだか知らない方がロマンあったかも。ちょっと怖いけど、知っておくとなあんだと思う不思議な事象の数数でした。

★中川朝子★
 2000年大阪府生まれ 名古屋市立大学
第8回、日経星新一賞学生部門優秀賞受賞
第9回、日経星新一賞学生部門優秀賞受賞
第39回大阪女性文芸賞受賞(選考委員、中沢けい氏、町田康氏)
第17回出版甲子園準グランプリ受賞

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